基礎疾患は他人事ではない!臓器が悪くなる最大の原因は、「肺の衰え」
未だに勢力の衰えない新型コロナウイルス感染症。
この感染症は、基礎疾患がある人ほど重症化リスクが高まると言われています。
アメリカの疾病予防管理センターの発表したガイドラインを見ると、「がん」「慢性腎疾患」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」「肥満」「心臓疾患」「脳血管疾患」「糖尿病」「高血圧」「肝疾患」「免疫不全」「認知症」などの病気を持っている人は、重症化のリスクが高まるとされています。
前回、自律神経と肺との関わりについてお伝えしました。
実は、その自律神経を整えることは、これらのあらゆる基礎疾患の予防になると言っても過言ではないのです。
今回は、書籍「最高の体調を引き出す超肺活」(著=小林弘幸。監修=末武信宏)より、肺を鍛えることと、基礎疾患予防との関係についてご紹介します。
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自律神経の乱れは、重大な病気を引き起こす原因に!
先ほど挙げた基礎疾患ですが、今はそれらと無縁だったとしても、不健康な生活を続けていると、いつかはどこかに病気の形になって現れてきます。
基礎疾患は他人事ではないと自覚し、気づいたその日から、今できることを始めるのが大切です。
その方法として、肺を鍛えて、自律神経のバランスを整えることを最優先して欲しいと思います。
基礎疾患の中でも、血管系のトラブルは、深刻な結果を招く危険性があります。
血管の中に「血栓」と呼ばれる塊ができると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まり、最悪の場合は命を落としかねません。
血栓ができてしまう1番の理由は、全身を巡る血流が悪いからです。
前回お伝えした通り、血管の動きをコントロールしているのは自律神経です。
自律神経のバランスが良いと、交感神経が血管を収縮させ、副交感神経が血管を弛緩させる動きが交互に起こります。
しかし、交感神経が過剰に働いていると、血管の収縮が過剰になり、体に充分な量の血液が巡らなくなってしまいます。
一方、副交感神経の働きを高めて自律神経のバランスが整うと、多くの血流を体に送ることができます。
高血圧の人は、交感神経が優位に働いてることがほとんどです。血管が収縮して、細い血管の中を血液が流れていくため、その分圧力が血管にかかってしまい、高血圧になるのです。
このように、自律神経のバランスの乱れは、全身の血流状態を悪化させ、重大な病気を引き起こす原因になります。
呼吸筋を鍛えて、日頃からゆっくりと深く呼吸する習慣を作り、副交感神経の働きを高めていきましょう。