【医師に相談】緊張型頭痛という症状を知っていますか?

タグ: , 2026/1/10

Q:緊張型頭痛は温めるのと冷やすの、どちらが良いですか?

一般的に温める方が適しています。緊張で血流が悪くなっている筋肉を温めると血行が改善し、筋肉のこわばりが和らぎ痛みが軽減します。蒸しタオルやホットパックを首や肩にあてたり、入浴でしっかり温まるのがおすすめです。

逆に冷やすと筋肉がさらに硬くなり、痛みが悪化する恐れがあります。ただし、運動後など炎症が疑われる場合は冷やすこともありますが、基本は温めて様子を見るようにしましょう。

Q:マッサージや鍼灸は緊張型頭痛に効果がありますか?

適度なマッサージや鍼灸は、一時的な症状緩和に役立つことがあります。
緊張型頭痛は、首や肩、後頭部まわりの筋肉の緊張が関与していることが多く、マッサージによって血行が改善すると「頭が軽くなった」「楽になった」と感じる方も少なくありません。

しかし、マッサージや鍼灸はあくまで対症療法であり、根本的な改善につながりにくい点には注意が必要です。強すぎるマッサージは、揉み返しによって筋肉や神経を刺激し、かえって頭痛が悪化することもあります。

また、慢性的な緊張型頭痛の背景に、首や肩の炎症に伴う異常な血管「モヤモヤ血管」が関与している場合、マッサージによって血流が増えることで、逆に痛みが強くなるケースもあります。

鍼やお灸は、東洋医学の考え方に基づきツボ刺激や血流改善、自律神経の調整を目的とした治療法で、体質や症状との相性が良ければ一定の効果が期待できることもあります。

ただし、
・施術を受けてもすぐに症状がぶり返す
・頭痛が慢性化している
・肩こり・首こりとともに頭全体が重く締めつけられる

といった場合には、原因そのものに対する治療を検討することが大切です。緊張型頭痛でお悩みの方は、専門医療機関で根本的な治療について相談することをおすすめします。

Q:緊張型頭痛の治療法はありますか?

これまで、緊張型頭痛を根本から治す特効薬は存在しませんでした。薬物治療の多くは一時的に痛みを和らげる対症療法であり、「これを飲めば完全に治る」という薬はないのが実情でした。

ところが、最近になって後で述べさせていただくように、新しい根本的な治療ができて普及し始めています。

ここでは以下に、頭痛発生時の対症療法、予防薬、根本的な治療について記載します。

①頭痛発生時の対症療法

緊張型頭痛が強く出ている時期には、痛みを和らげるお薬が有効とされています。代表的なのはアセトアミノフェンやロキソニンなどの鎮痛薬で、市販薬ではバファリンなどもこの仲間です。どのお薬が合うかは人によって少しずつ違うため、症状に合わせて使い分けることが大切です。

②頭痛発生予防薬(慢性期の治療)

頭痛が頻繁に起こる方や、「慢性緊張型頭痛」と診断された方では、痛みが出た時に飲む薬だけでなく、毎日服用して頭痛を起こりにくくする予防薬を使うことがあります。

緊張型頭痛の予防に効果があるとされているのは、抗うつ薬(抗うつ剤)です。特に「アミトリプチリン」というお薬は、うつ病があってもなくても痛みを感じやすくなっている神経の反応を整える目的で使われます。続けて飲むことで、頭痛の回数や強さを少しずつ減らす効果が期待できます。

慢性の頭痛では、脳が痛みに敏感になっていることが多く、アミトリプチリンはその「過敏な状態」を落ち着かせる役割を持ちます。また、日本頭痛学会でも、こうした予防薬の服用に加えて、ストレスをためない工夫(ストレスマネジメント)やリラクゼーション、理学療法などの併用を勧めています。アミトリプチリンのほかに、少量の抗不安薬や筋肉のこわばりを和らげる薬が使われることもありますが、副作用の有無や体質を見ながら、専門医の判断のもとで慎重に始めることが大切です。

③根本的な治療

緊張型頭痛に対する根本的な治療として現在注目されつつあるのが、「STA動注」です。

この治療法は、時間にして片側あたりわずか2-5分ほどでできる治療で、頭皮の筋膜に存在する異常に拡張した血管と、その近くにある神経を標的とした治療です。非常に細い針を使った注射治療で、何度も受けるものではなく2-3回の治療で数年以上の効果が発揮できるものです。

Q:緊張型頭痛では何科を受診すべきですか?

まずは、かかりつけの内科や脳神経内科、または脳神経外科を受診することをおすすめします。診断が難しい場合や、他の病気が隠れている可能性を排除するためには、頭痛専門医がいる頭痛外来の受診も検討するといいでしょう。特に、長期間症状が続いている場合や、一般的な治療で改善が見られない場合は、痛みの専門医へ相談することが推奨されます。

脳神経内科では頭痛の専門的な診断や薬物治療が行われます。整形外科では、肩や首の筋肉の問題に特化した治療や理学療法が提供されます。心療内科は、ストレスやメンタル面が頭痛に強く影響している場合に有効なサポートをしてくれます。

Q:緊張型頭痛の改善方法や日常生活で気をつけることなどありますか

姿勢の改善とこまめな休憩、そしてリラックスできる環境が重要です。

デスクワークの方は、パソコン画面の高さや椅子の位置を調整し、猫背にならないよう背筋を伸ばして頭の重心が身体の真上にくる姿勢を意識しましょう。頭が前に突き出た姿勢(ストレートネック)は首の筋肉に大きな負担となるため、作業中にふと胸をはったり、アゴを引く姿勢を心がけるだけでも違います。

また、長時間の作業は1時間おきに休憩を取り、席を立って軽く体を動かすようにしましょう。目の疲れも首や肩のこりに直結するため、PCやスマートフォンを長時間見る際には目をつぶったり、遠くを見るなど目を休める習慣も取り入れてください。

心理的な緊張をほぐすリラクゼーション法も効果的です。深呼吸や瞑想、ヨガ、軽い体操など、自律神経を整える活動を日常に取り入れてみましょう。特に入浴後や就寝前の落ち着いた時間にストレッチや腹式呼吸を行うと、副交感神経が優位になって筋肉のこわばりが取れやすくなります。十分な睡眠とバランスの良い食事を含め、生活リズムを整えることが頭痛改善の基本となります。

Q:緊張型頭痛を根本的に治療する方法はありますか

緊張型頭痛は「ストレス」や「姿勢の悪さ」が原因とされがちですが、実際には、首こりや肩こりが深く関係しているケースが少なくありません。近年、首から肩にできた不要な血管、いわゆる「モヤモヤ血管」は慢性的な炎症を引き起こしていることが分かってきました。この血管が炎症によって拡張することで近くの神経を刺激し後頭部や側頭部の頭痛として症状がでます。

こうした慢性的な炎症が原因である場合、痛み止めやマッサージなどの保存療法だけでは、根本的な改善が難しいこともあります。

これまで保存療法しか選択肢がなかったような緊張型頭痛に対して、近年では、原因となる異常な血管そのものに直接アプローチする「STA動注治療」が開発されています。

この治療は、こめかみ付近を走る浅側頭動脈や、後頭部の後頭動脈といった頭皮の血管に、非常に細い針を用いて薬剤を直接注入する方法です。エコー(超音波)で血管の位置や拡張の程度を正確に確認しながら、炎症がおきている部位をピンポイントで治療することができます。

一時的に症状を和らげる対処療法とは異なり、痛みの原因そのものに働きかけ、根本的な改善を目指す治療法です。

Q:緊張型頭痛がなかなか治らず、このまま一生続くのではないかと不安です。

長引く痛みは、身体だけでなく精神的にも大きな負担をかけ、「この痛みと一生付き合っていくしかないのか」と不安になるお気持ちわかります。しかし、諦める必要はありません。緊張型頭痛が「治りにくい」と感じるのには理由があり、その原因にアプローチすることで、症状を大きく改善できる可能性があります。

■なぜ緊張型頭痛は「治りにくい」のか

これまでの緊張型頭痛の治療は、鎮痛薬などの対症療法や、ストレッチ、マッサージといったセルフケアが中心でした。これらは一時的に症状を和らげることはできても、痛みの根本原因を取り除いているわけではないため、しばらくすると痛みが再発してしまうことが多かったのです。特に慢性化してしまった頭痛は、脳が痛みに過敏になってしまっている状態(中枢感作)も加わり、さらに治りにくくなります。

しかし、最近の研究で、慢性的な緊張型頭痛の原因の一つとして、首や肩の筋肉にできた異常な血管、いわゆる「モヤモヤ血管」が関わっていることがわかってきました。この不要な血管が慢性的な炎症を引き起こし、神経を刺激して、しつこい痛みの原因となっているのです。

当院では、この痛みの根本原因であるモヤモヤ血管に直接アプローチする「STA動注」という治療を行っています。この治療は、痛みの原因となっている浅側頭動脈に直接薬剤を届けることで炎症を抑え、血管を治療する根本的な治療法です。

「何をしても治らなかった」と諦めかけていた多くの患者さんが、この治療によって長年の痛みから解放されています。あなたのその不安な気持ち、ぜひ私たちにご相談ください。痛みの原因を正確に突き止め、最適な治療法を一緒に見つけていきましょう。

<参照>
日本頭痛学会 編. 『慢性頭痛の診療ガイドライン 2021』. 医学書院, 2021.
日本頭痛学会. 頭痛の診療に関するQ&A

Olesen J, et al. The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3). Cephalalgia. 2018;38(1):1-211.

Bendtsen L, Jensen R. Tension-type headache: the most common, but also the most neglected, headache disorder. Curr Opin Neurol. 2006 Jun;19(3):305-309.

Ashina S, Bendtsen L, Ashina M. Pathophysiology of tension-type headache. Curr Pain Headache Rep. 2005;9(6):415-422.

Schoenen J. Tension-type headache. In: Silberstein SD, Lipton RB, Dodick DW (eds). Wolff’s Headache and Other Head Pain. 8th ed. Oxford University Press, 2008.

Fernández-de-Las-Peñas C, et al. Physical therapy approaches to tension-type headache. Expert Rev Neurother. 2011;11(9):1325-1333.

Bendtsen L, Evers S, Linde M, et al. EFNS guideline on the treatment of tension-type headache – Report of an EFNS task force. Eur J Neurol. 2010;17(11):1318-1325.

Holroyd KA, et al. Management of chronic tension-type headache with tricyclic antidepressant medication, stress management therapy, and their combination. JAMA. 2001;285(17):2208-2215.

[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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