運動中や運動後の栄養補給の意義
[文:栄養士・管理栄養士の求人情報サイト Dietitian job]
執筆スタッフ 管理栄養士の中村達也です。
季節の変わり目は体調を崩しやすい季節ですので、ご自身の体調管理もしっかり行なってくださいね。
さて今回は、運動中や運動後の栄養補給についてお話ししたいと思います。
運動後、筋力UP、回復のためには栄養補給が必要という認識は広まってきています。
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運動後にどんな栄養素が必要ですか?と尋ねると、大抵みなさん「たんぱく質!」とお答えになります。
まぁもちろんそれも大事なのですが・・・(笑)
糖質の部分も大事なので、その部分を中心にお話ししたいと思います。
糖質が身体の中で足りない状態で運動をすると、
動きや集中力の低下
疲労感の持続によりパフォーマンスの低下
必要なエネルギーを補うために筋肉が分解されるなど…。
要するに糖新生の影響で、逆に筋力が落ちる可能性もあります。
そして、運動後の栄養補給で最優先なものは、この糖質です。
体内ではグリコーゲンという形で体内に貯蔵されますが、運動により消費されたグリコーゲンを補給できなければ、本来筋肉の合成に必要なたんぱく質が、糖新生に使われてしまうことにもつながります。
これでは、本末転倒。
糖質を摂らないでたんぱく質の大量補給を行ったとしても、一部は糖新生の材料、一部は筋肉合成。
これだけならばまだいいかもしれませんが、アミノ酸の分解で生じたアンモニア、尿素の排泄という仕事が身体の中で増えるので、肝臓、腎臓に余計な仕事が増えます。
これでは運動の後半や試合での後半にバテたり、パフォーマンスの低下に直結してしまいます。
ということで、たんぱく質も大事かもしれませんが、糖質の重要性(まずは使われたグリコーゲンを回復する)を念頭に置いとかなければなりません。