脂質異常症の症状とは? ― 自覚のない“サイレントリスク”に気づくために
「池尻大橋・三宿・駒場の整形外科・内科「池尻大橋せらクリニック」(https://sera-clinic.com/)」
はじめに
「脂質異常症」と聞くと、コレステロールや中性脂肪の数値が高い病気、というイメージを持つ方が多いかもしれません。実際その通りですが、もう一つ重要な特徴があります。
それは、自覚症状がほとんどないということです。
症状がないまま放置すると、動脈硬化が進み、やがて心筋梗塞や脳梗塞など重大な合併症を引き起こします。
今回は、脂質異常症で起こり得る症状や合併症のサインについて整理し、「なぜ症状が出る前に検査が必要なのか」を解説します。
1. 脂質異常症の基本
脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が正常範囲を超えて増減する状態を指します。
代表的な異常は以下の3つです。
1.LDLコレステロール(悪玉)が高い
2.HDLコレステロール(善玉)が低い
3.中性脂肪(トリグリセリド)が高い
これらはそれぞれ血管の壁に脂肪を沈着させ、動脈硬化の原因となります。
2. 脂質異常症の症状 ― 実は「無症状」が大多数
脂質異常症は、血圧が高い「高血圧」と同じく、初期には自覚症状がありません。そのため、健康診断や血液検査を受けてはじめて異常に気づくケースがほとんどです。
しかし、放置すると以下のような症状や疾患として現れてきます。
▼動脈硬化が進行して現れる症状
・胸の痛みや圧迫感(狭心症・心筋梗塞)
・手足のしびれ・脱力(脳梗塞)
・歩くとふくらはぎが痛い(閉塞性動脈硬化症)
▼特殊なケースで見られる症状
・皮膚や関節に黄色いしこり(黄色腫)
・角膜の白濁(角膜輪)
・急性膵炎(著しい高トリグリセリド血症)による強い腹痛
これらは脂質異常症が長期間続いた結果、ようやく現れる“氷山の一角”です。






