【妊活専門】シェフ×看護師 出張料理で負担をラクに!妊活を底上げする食事のコツ
身体に嬉しい素材や工夫が満載!人気の妊活レシピは?
西岡さん
管理栄養士のあゆこさんから、そういった栄養のお話を聞けるのは、利用者さんにとってすごくいいですね。
実際、そういった食の知識をレシピ開発や料理にも活用していらっしゃるんですか?
あゆこさん
そうですね。妊活中のお客さまへの出張料理では、私は砂糖を使わないと決めています。
砂糖の代わりに、みりんなど甘みのある調味料や、甘いお野菜を活用するんです。
たとえば、切干し大根や煮物を作るときの調味料って、どんなイメージですか?
西岡さん
砂糖や醤油、みりんでしょうか。
あゆこさん
それが一般的ですよね。でも私が作る切干し大根は、砂糖を使わずに、玉ねぎの蒸し煮という調理法で甘さをカバーします。
玉ねぎに少量のお水を加えて弱火で煮ると、砂糖を入れなくても甘〜くなるんですよ。
西岡さん
おいしそうですね!
あゆこさん
この「白砂糖不使用 切干大根煮」はお客さまにも「甘くておいしい!」と言っていただけて、好評でした。
こんな風に、砂糖を使わない料理があることもお伝えしています。
西岡さん
そういったレシピも提案してもらえるんですね。
そのほか、妊活中の方向けによく作られるメニューはありますか?
あゆこさん
リクエストをもとに作って好評だったメニューが、鉄分や亜鉛、葉酸などを豊富に摂れる「レバニラ炒め」。
蒸し煮にして最後にごま油で香りづけしていただくことで、酸化した油を使わないよう工夫を凝らしました。ごま油の代わりに、亜麻仁油やえごま油など身体にいいとされる油を使うのもおすすめしています。
西岡さん
そんな作り方もできるんですね。
あゆこさん
あとは、冷えの改善を意識して考案した「根菜の重ね煮ジンジャーソース」も人気の妊活メニューです。
これは、根菜の蒸し煮をベースに、生姜を効かせた醤油系のソースをかけた一品。身体を温める作用がある根菜と生姜、2つの素材を使いました。
少し変わったものだと、「かぶの葉ソフトふりかけ」もあります。かぶ、ごま、干しエビなど妊活で摂りたい栄養素を豊富に含むふりかけで、あるとご飯が進みます(笑)
ふりかけなので、お子さんが生まれた後、離乳食や乳幼児食にも使えるのもいいかなと思います。
西岡さん
こういった料理で、共通して意識されていることはありますか?
あゆこさん
「身体をつくる」という意味では、妊活中でもそうでなくとも、必要な栄養素や注意点はあまり変わらないんです。
その基本を押さえたうえで、妊活中に必要な栄養素を含む料理や、貧血、冷え性などの改善をサポートする食事を心がけています。
また、私は「化学調味料や白砂糖を使用しないナチュラル料理」をモットーとしているんですが、同時に腸内環境を整える「常備菜」ならぬ「腸美菜」の提案もしています。
西岡さん
「腸美菜」って、魅力的なキャッチフレーズでいいですね!(笑)
あゆこさん
ありがとうございます(笑)
「腸美菜」で腸内環境を整えることで、栄養をしっかり吸収できるんです。そのほか、近年では腸内環境と免疫力に関連があると言われているなど、さまざまなメリットが期待できます。
出張料理では、ほぼ毎食、食物繊維が豊富な食材や発酵食品を使った「腸美菜」を入れています。
西岡さん
栄養面以外でこだわっていらっしゃるポイントはあるんですか?
あゆこさん
おいしさはもちろん、楽しんで食べていただけるように彩りも意識しています。
出張料理では、メイン料理を3〜5品ほど、副菜を5〜10品ほど作っているんです。その料理を並べて見せたときに、お客さまに「わぁ!」と喜んでもらえる出来栄えを目指しています。
食事は夫婦のコミュニケーション。妊活を底上げする「生活習慣」
編集部
あゆこさんの「楽しんで食べてもらえるように」という言葉で、食事は家族や夫婦でのコミュニケーションの機会をつくる役割も果たしているように感じました。
あゆこさん
食事は夫婦、家族で一緒にとられるものだから、栄養面はもちろん「おいしいね」といった会話も大切ですよね。
食卓をともにすることは、「一緒に妊活に取り組んでいこう」と同じ気持ちで妊活と向き合っていくことにも繋がるのではないでしょうか。
西岡さん
たしかに食事って、コミュニケーションの意味合いも大きいですよね。
妊活は夫婦2人で取り組んでいくもので、食事もその1つだと思います。
あゆこさん
出張料理を通して生まれる「これおいしいね」「今はこの食材が旬なんだよ」といった食事中の会話が、妊活中はもちろん、お子さまが生まれた後にも繋がっていったら嬉しく思います。
編集部
今回の対談をきっかけに、「まずは、食事などの生活を見直すことから妊活を始めてみようかな」という方もいるかと思います。そういった方が気をつけるべきことはありますか?
西岡さん
日々の生活で自分の身体や健康状態に意識を向けることは大切ですが、定期的に病院で検診を受けるなど、ときには医療機関の受診も必要。
医療と生活、両方を意識していただきたいです。
というのも、婦人科系の病気や貧血などの不調って、自覚するのが難しいんです。
あゆこさん
「疲れているだけかな」と誤った判断で見過ごしてしまう人も多いですよね。
西岡さん
そうなんです。だからこそ、医療に頼った方がいい面と、生活で改善できる面を分けつつ、両方を活用してもらえればと思います。
全部で自力で、食事だけでどうにかしようとすると、疾患を見逃すことにもなりかねません。
あゆこさん
貧血の治療も同じですよね。貧血も症状がひどすぎると、食事だけだけではカバーしきれないんです。
もし鉄剤や薬が処方されたり、サプリが推奨されているなら、食事にプラスして改善していきましょうと私もお伝えしています。
西岡さん
とはいえ、医療機関を受診したり治療をしても、自分の生活には戻らなきゃいけないわけで、そこでは、食事や運動などの生活習慣が大事になってきます。
医療はピンポイントで使いつつ、毎日の生活はセルフケアで支えていく。そういう意味で、食事は妊活を底上げしてくれるものだと思います。
[文:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」(https://sharedine.me/)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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