とても痛い病気「CRPS」いったい何が起きているの?
[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療(https://okuno-y-clinic.com)]
手や足に非常に痛い状態が生じてしまう難病「CRPS」
今回は一体何が起きているか?について紹介します。
前回のコラムではCRPSという病気があることを紹介しました。
骨折や打撲、あるいは手術など、体に傷を負った後にその傷にふさわしくない強い痛みが出る病気です。
今回は、CRPSの患者さんの体内で一体何が起きているのかを考えていきたいと思います。
CRPSという病気は時間経過で症状が変化していきます。
ここでは特にCRPSの初期、なったばかりから数か月のうちの話しをしたいです。なぜならこの時期にCRPSという病気の本質があるからです。
CRPSの初期の症状の特徴は、1.非常に強い痛み 2.皮膚の発赤 3.熱感 4.腫脹 などが挙げられます。
このような「赤く腫れていて痛い」というのは「炎症」という状態と同じです。後にこれらの症状は変化していくことがあるのですが(冷たくなったり、白くなったり)、まずスタートの時点では炎症と同じような状態です。
炎症と似た言葉に「炎上」というのがあります。
最近はよく耳にしますね。誰かが不適切な発言や行動をしたことで、周りの人、マスコミ、当事者でない人が過剰に反応して攻撃されたりする、そういった現象のことです。
しかも、問題発言をしたからと言って必ずしも炎上するとは限りません。
人の身体でもまさしく同じように、ちょっとした怪我がきっかけで、予測不能な「炎上」が起きてしまうことがあります。しかも、ありふれた怪我のはずなのになぜかひどい目にあってしまう、などのことが「炎上」と似ているところかもしれません。