パターヘッドの重量・バランスを考える
実験の条件
これらの長さとヘッド重量の組み合わせてバランスがどう変わるかを検証しグラフ化します。
下の表が結果の生データです。
表の中の10の位が1はBバランス、2はCバランス、3はDバランス、4はEバランスになります。したがって32.6はD2.6になります。空欄になっているところは F0 を超えています。
パッティングストローク分析のお客様でまれに32インチが合いそうな結果が出ることがありますが、ヘッド重量が386gでやっとD1.1になっています。
1インチの増減で10gの増減が必要と言いましたが、この結果からそうではないことがわかりました。
グラフから読むと
・33インチ/360g D0
・34インチ/350g D5
・35インチ/340g D7
になっていますので、33インチの時は全くバランスが出ていないことになっています。33インチでD5程度のバランスを出すには370gくらいの重量が必要になります。
パターのバランスに関しては、私の場合目安にはしていますが、アイアンやドライバーほど重要視していません。グリップが変わることでヘッドを感じなくなったり(実際にはバランスが出ていても)、ヘッドの形状(重心の高さ)によってもフィーリングが変わるからです。
今回は約65gのグリップ重量のグリップを使用して実験しましたが、この重量が変わってもバランスは変わりますし、厳密にいうとシャフトが変わってもバランスは変わってきます。
自分も同じグリップでのバランスの違いは多少感じられるかもしれませんが、太いのに軽い SuperStroke Slim 2.0 などは、バランスが出ているはずなのにバランスがかなり軽くなった感じがしてしまいます。
同じバランスのグリップが異なる2種類のパターを持っていただき、どれだけの人がどう感じるかという実験も面白そうですね。
パターにおけるバランスという数値は、自分が振りやすいと思えばなんでも良いのかもしれません。パターの長さ調整の際の参考にしていただければと思います。
[文:トータルゴルフフィットネス – ゴルファーのための会員制フィットネスクラブ(https://www.tg-fitness.net/)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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遠藤 仁史
1965年生まれ。埼玉県出身。北里大学を卒業後、北里研究所にて研究員として働きながらゴルフ/ゴルフクラブに関する知識を蓄積。2010年に ACTEK GOLFを東神田にオープンし、様々なフィッティングを創造しながら活動を始める。自身もアマチュアゴルファーとして試合に出場。競技ゴルファーとしての見地を活かし、様々なレベルのアマチュアゴルファーにゴルフクラブの提案、スイングの分析を行う。特にパッティングに関しては SAM PuttLab を駆使し、パッティングデータを提供。また使い手に合わせたパターの調整なども行う。パターのコレクションは PING の古いパターを中心に300本以上。パター収集家、評論家としても活動中。