わらび餅プランが大ヒット!日本料理一筋のシェフが挑戦する出張シェフという働き方
シェアダインのシェフになられたきっかけ、やりがいについて教えてください
独立して自分のお店を持とうとしていたのですが、友人から「出張料理をやってみたらどうか」と言われたことがきっかけです。シェアダインではこれまで3カ月で、約100件の仕事をさせていただきました。
出張シェフも自分の身一つで仕事をする訳ですから、やりがいがある反面、失敗したら直接自分に返ってくるという厳しさがあります。
また、出張シェフはお客さまとの距離がすごく近いところが、お店の料理人とは違います。以前もカウンター仕事で、お客さまを前にしていましたが、ご自宅のキッチンを使わせていただくのとは事情が違います。先輩や上司もいません。
お店ではメニューが決まっていて段取りにも慣れが出てきますが、出張シェフではご家庭のキッチン事情に合わせて料理をしなければなりません。作る料理にしても、こちらから提案をさせていただき、お客さまの了解を得てから取りかかるといったようなやり取りがあります。
日々、シェアダインのコンセプトやお客さまのライフスタイル、なぜ私にご依頼いただいたのかを考えています。お客さまの期待に応えられたと実感できた時は、やりがいを感じられますね。また、健康上の理由から塩分制限がある方もいらっしゃいます。そういう方から、塩分を控えてもおいしかったと言っていただけると嬉しいです。
出張シェフとして、心がけていることはありますか
後片付けなど料理以外のところでも、きれいな仕事をするように心がけています。ご家庭にお邪魔した時よりもキッチン周りをきれいにして帰る、ということを意識しています。もちろん、頭髪から指先にいたるまで身なりの清潔感を保つことは言うまでもありません。
よく、シェアダインのシェフの中でも、私は荷物が多い方だと言われます。仕事に行くときはキャリーケースで伺っています。調理器具で数が多いのがボールで、ステンレス製を3つか4つは持参していきます。
道具をお客さまのからお借りして、万が一壊れたりすると大変ですから、リスク回避という意味もあります。道具へのこだわりでは、職人が手作りしたおろし金を持っています。このおろし金を使うと、大根おろしが甘くなるのです。ふだん食べている食材が、道具1つで変わるということがあります。
今後の展望について聞かせてください
現在は、シェアダインで定期的に呼んでくださるお客様もいらっしゃり、自分のお店を出すことは考えていません。
これから取り組みたいことは、季節の旬の素材を生かした料理です。10月は松茸のシーズンに入りますので、松茸を使った料理を用意しています。炊き込みご飯、吸い物など、お客さまのご希望に沿った内容でお作りします。秋の味覚では、「秋刀魚」を材料とした炊き込みご飯を作ります。
私はこれまで、日本料理は世界に誇れる美の一つという思いで、長年学んできました。学んできた点と点をつないで線になり、その線と線をつないで輪になりました。そんな輪を先の未来へつないでいけたらと思っております。
[文:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」(https://sharedine.me/)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。