超一流の料理人が、店舗に頼らない「出張シェフ」を選ぶのはなぜか

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孝太郎さんの場合:「料理人もフリーエージェントとして活躍する時代に」

一人目は、2年前から出張シェフとして複数のお客様のご家庭を定期的に訪問し、料理を提供している孝太郎さんです。

孝太郎さん

(プロフィール)

孝太郎さん

18歳の時に日本料理の世界に飛び込み勤め始める。25歳の時に上京。そのあと、家庭料理の素晴らしさに出会い、日本料理の技法や知識などを軸に、より親しみやすいお料理を日々考案中。

「料理人もフリーエージェントとして活躍する時代が来たのではないでしょうか」と語るのは、18歳で日本料理の世界に飛び込み、料亭や割烹、おばんざい料理など和食店の経験を重ねてきた孝太郎さん。修行を続けていずれは自分の店舗を持つのが目標かと思いきや、選んだのはフリーランスの出張シェフとして身を立てる道でした。

「あなたの作った料理を家でも食べられたらいいのにね」。馴染みのお客様からの一言で、ああ、自分のやりたいと思っていたことはこれなんだと確信したそうです。

複数の店舗で修行を重ねるうちに、不特定多数のお客様に対して、決められたメニューを提供する仕組みの中で「本当に美味しいものが作れるのか」という疑問を抱くようになっていた孝太郎さん。「少数の限られたお客様に、美味しいと思ってもらえる料理を提供したい」。そのために、店舗勤務ではない働き方ができないかと考えていました。

実際にお客様のご自宅に行って料理を作っているなかで、「一般家庭で料理を作ってあげたい料理人」と「自宅でプロに料理を作ってほしい一般家庭」をつなぐプラットフォームがあることを知ります。フリーランスでやっていくならば、その仕組みを利用してみようと思ったそうです。





出張シェフとしての活動を始めて驚いたのは、お客様と自分の目線が一緒だということ。「お客様はこういう料理を作ってほしいと思ってる。僕はそのために最高の料理を作りたいと思っている」。食べる側、作る側が料理を真ん中に置いて同じ目線に立っている。その状況が「すごく楽しんです」と孝太郎さんは話します。

実際に孝太郎さんが作るのは、これまで長く伝わってきた日本料理を軸とした温かみのある料理ばかり。プラットフォーム経由で「孝太郎さん指名」がどんどんと増えていきました。複数のご家庭の出張シェフとして定期的に活動することで、フリーランスでありながらも軸を持った働き方となりました。

そんな孝太郎さんですが、じつは今、自宅の一部を改装して限られたお客様を迎える店舗を構想中です。店舗を持つつもりはなかったはずのになぜなのか尋ねると、孝太郎さんはこう説明してくれました。

「出張料理でお世話になっているお客様に、家庭のキッチンではできない特別な経験をしてもらいたいと思っていて」。日常は出張料理で、そして特別な日には、プロの厨房で、家庭ではふだん使わない食材を使って、ゆったりと時間をかけて料理を楽しむ。そのため、お客様は1日1組に限定する予定とのこと。

さらに自宅店舗が空いた時間は、若手の挑戦の場としても使ってもらいたいと孝太郎さんは話しています。「たとえば、店舗に勤務しながら、こうした場を使って特定のお客様に自分の創作した料理を食べてもらう。そこで定期的に仕事ができるようになれば、軸ができます。そうすれば、週3日は僕の店舗で固定のお客様に、残りを出張シェフとして挑戦していくというように、道が広がってきますから」

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