結局、「ございます」はどう使えばいいのか【デキる大人のビジネスマナー】
社会人には、仕事そのもの以前に覚えることがたくさんある。名刺交換の方法に電話の取り方、会議室での座り方……うっかりすると、しぐさひとつでチャンスを逃しかねない。
この記事では、そんな大人のためのビジネスマナーを紹介する。さて、今回の問題は……?
問題:次のうち、一般に望ましいとされる「ございます」の使い方はどれ?
A:○○(自分の名前)でございます
B:何かお探しでございますか?
C:お車を用意してございます
さて、正解は……?
答え:A(○○(自分の名前)でございます)
「ございます」はもともと「ある」の丁寧語だ。また、「~でございます」というかたちならば、「です」や「ます」をより丁寧に表現することもできる。ただし、「ございます」は、原則として自分や身内に対して使う。そのため、Aのように「○○(自分の名前)でございます」と言うのはいいが、来訪者などに「○○様でごさいますか?」と聞いてしまうと、ムッとされることもあるので注意が必要だ。
では、外部の人の身元はどう問えばいいのか。この場合、尊敬語であることが明らかな「いらっしゃる」を使って、「○○様でいらっしゃいますか?」と聞くのがよいだろう。同じ理由で、Bの「何かお探しでございますか?」は、「何かお探しでいらっしゃいますか?」が適当だ。
また、Cの「お車を用意してございます」は、丁寧語よりもこちらがへりくだっていることが明らかな謙譲語を使って、「お車を用意しております」とするのがスマートだ。
言葉は生き物で、その用法も時代によって変わっていくが、現代日本のビジネスシーンにおいては、相手への敬意がはっきりと伝えられる言葉を選ぶのがよいだろう。
参考文献:
浅井真紀子監修『これ1冊でOK! 社会人のための基本のビジネスマナー』(ナツメ社 2019年2月)
小学館『日本国語大辞典』第2版 オンライン版
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<この記事を書いた人>近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。
日本テレビ系『高校生クイズ』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』など、各種媒体に問題を提供する。
クイズの世界大会「World Quizzing Championships」では、日本人初・唯一の問題作成者を務める。