”メンタル強化にも効果的”、アスリートのセルフモニタリング

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[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]

 日々重要な課題ともなっているストレスを緩和するため、医療やスポーツ心理学の観点からさまざまな解消方法がクローズアップされています。その中でも今回スポットを当ててお話したいのがセルフモニタリング。学生時代クラブ活動などで”練習ノート”を書くことをすすめる指導者は多いです。日々の練習内容や感じたこと、反省点などを記した日記のようなもの。今回はストレスの対処療法として押さえておきたいアスリートのためのセルフモニタリングについてお話します。

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”メンタルも鍛える”セルフモニタリング

心理学者であるスナイダーが定義したセルフモニタリング。”周囲の状況や他者の行動に基づいて自己の行動や自己呈示(自分よりよく見せようという意図に合わせた振る舞いをすること)が社会的に適切であるかを観察し、自己の行動をコントロールすること”と記されています。

簡単に言えば字のごとく、自分の行動、考えや感情などを観察(モニタリング)することです。例えば、第一印象で左右される初対面の人の印象など考えると明るく礼儀正しく接しようとする人がほとんどだと思います。

また、見た目を良くするためにダイエットなどをしたり自分の食生活を見直して運動したりすることもセルフモニタリングによる行動の一つ。このように常日頃から私たちは、特に意識しなくても良い結果を求めて心理的に考え、行っています。

そんなセルフモニタリングに必要な能力は、”感受性。もちろん個人差もあるため治療や仕事、スポーツ心理学などで本格的にセルフモニタリングを行う際には、どのような要素があるのか感受性の個人差を測るために尺度分析する必要があります。

セルフモニタリングの尺度は、3つの因子構造に分けられます。

1つ目は外向性 社会的な事柄への関心が強く社交的な人。
2つ目は他者志向性 他者や状況に合わせて適切な自分自身の気持ちを抑え、配慮できる人。
3つ目は演技性 演技して他者を喜ばせたり、人前で流暢に話せる人。

セルフモニタリングの能力が高い人は、”状況に合わせて適切な言動を行う器用な人”ということになります。逆に”自分に対して正直で不器用な人”はセルフモニタリングの能力が低いということです。一連のプロセスを意識して習慣化すれば、より理想に近い結果へと導き、ストレスを和らげることも可能となります。また日常化することでメンタルトレーニングにも役立てることができるのです。

セルフモニタリング”5つの実践ポイント”

認知行動療法(CBT)にも取り入れられ、ストレスの対処療法としても効果的なセルフモニタリング。思い描く理想と現状の状況のギャップに歪みを感じ、人はストレスを感じてしまします。認知行動療法はモノの見方や捉え方である認知に焦点を当て、行動や感情などを理解することで現実とのギャップを埋めていく方法です。

『修正したい自分自身の行動に目を向け、観察し適切な修正を行う』セルフコントロールを行うためにする自己観察=セルフモニタリングが重要となるのです。

方法としてまず最初に自分自身の日常生活を振り返り、ストレスの原因となっていることを思い出します。どれだけ小さく些細なことでも構いません。実際に自分自身”これくらい大したことない”と意識していたことがストレスの引き金になっている可能性もあるからです。少しでも引っかかることやモヤモヤした記憶でもメモしておきます。

セルフモリタリングのスタートとして最も重要なのは、”自分がどのようなストレスを感じているのか自覚すること”です。次に行うのは、その感じたストレスの詳細を細かく分解して書き出すこと。この時のポイントは、大きく分けて5つで各視点から観察することを心がけて書き出すようにします。

1つ目 ”ストレスを感じた状況(ストレッサー)”。
2つ目 ”ストレスを感じた時、頭に浮かんだ考え”。
3つ目 ”ストレスを感じた時の気分や感情”。
4つ目 ”ストレスを感じた時の体の反応”。
5つ目 ”ストレスを感じた時の行動”。

セルフモニタリングは、ストレスを感じた状況(ストレッサー)とストレスを感じた時の心や体のさまざまな反応に対して行います。最も重要なのは、”具体かつ客観的に事実”を書き出すこと。感じたストレスを細かく書き出すことで自分自身が”どのような状況でストレスを感じるのか”そしてストレスを感じた時に”どのような変化が起こるのか”などの傾向を客観的に理解することなのです。

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