甲子園の安西先生…指揮官が「鬼から仏」に変身した二松学舎は強い
96年に就任した市原勝人監督は今年で22年目を迎えた。小杉が振り返るように厳しくて熱い指揮官は同校OBの広島・鈴木誠也が今でも直立不動になるほどの存在感がある。だが、子供の気質、時代の流れを汲み取る柔軟性がある。「どうしても入りたいんです」と志願してきた女子マネージャーの入部を数年前から許可。エースと心中するチーム作りから複数の投手でゲームメークするチーム方針にシフトした。試合中も感情を抑え、静かに戦況を見つめる。小杉は甲子園を目指したが、3年夏の東京都東大会決勝・都立雪谷戦で0-0の9回に5点を奪われて力尽きた。結婚式を開いた時の市原監督のスピーチが忘れられないという。「雪谷は真っ赤なユニフォームで、スタンドのお客さんも赤いうちわで応援していた。そんな中、マウンドで仁王立ちしていた小杉はかっこよかった。酷だけど代えられなかった」。恩師の温かい言葉に涙が止まらなかった。
鬼から仏と化した市原監督。スラムダンクの安西先生を彷彿とさせるが、勝負師の執念は変わらない。「『謙虚であれ』という教えで監督は全国制覇とか目立った発言はしませんが、メチャメチャ負けず嫌いですから。大阪桐蔭、横浜、浦和学院と強豪だけど凄い差があると言ったらそうでもない。二松学舎強いですよ」。小杉の声は明るかった。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]