ラグビー シックス・ネーションズ展望対談 大西将太郎vsジェフ・パーリング!

タグ: , 2019/1/27

「どこの国もゼッタイにイングランドを倒してやる!」と向かってくるアウェーの雰囲気も楽しいもの(笑)。ワールドカップイヤーでも手の内隠しはしないはず。きっとみんな勝ちに行くよ」

(c)WOWOW

 シックス・ネーションズ開幕を前に、WOWOWは元日本代表の大西将太郎と、シックス・ネーションズの戦いを肌で知る、日本で唯一の選手ジェフ・パーリングによるスペシャル対談を行った。

ジェフ・パーリング、35歳。イングランド代表LO(ロック)として29キャップを持ち、シックス・ネーションズ、2015年ワールドカップ、さらに2013年にはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに、2017年には世界選抜にも選ばれた名手であり、2017年からはトップリーグの宗像サニックスブルースで、さらにスーパーラグビーのメルボルン・レベルズでプレー。ホームユニオン、それも最も保守的なカルチャーを持つといわれるイングランドから国外に飛び出した、探究心旺盛で、インテリジェンス溢れるラガーマンである。

まもなく開幕するシックス・ネーションズについて、母国イングランドについて、そして8ヵ月後に迫ったワールドカップ日本大会について、大西将太郎が訊いた。

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大西:ジェフさんに伺います。まず、シックス・ネーションズの魅力とは。

ジェフ:素晴らしい大会だよ。まず、どの試合でも国をあげてのライバル意識が激突する。特に、私の国、イングランドに対してはどの国も、絶対に倒してやろうと向かってくる。本当にすごい大会だ。
会場も素晴らしい。パリやカーディフ、ダブリン、ローマなど華やかな都のスタジアムでプレーするのは最高だし、スタジアムも素晴らしい。

大西:シックス・ネーションズはどの会場の、どの試合も常に満員ですよね。何か思い出に残っている出来事はありますか。

ジェフ:そうだね、よく覚えているのは初めてカーディフに行ってウェールズと戦ったときだ。ミレニアム・スタジアムの屋根は閉まっていて、ファンの歌声がガンガン反響して、スタジアムはイングランドへの敵意で満ちていた。その中で私たちはボロ負けしたんだ(笑)。 ウェールズのファンはイングランドの負けを熱望していた。サッカーみたいな雰囲気だった。それは多分、イングランド対ウェールズだからだったと思う。それも含めて、ライバル国で試合するのは素晴らしい体験だった。

大西:僕も2007年ワールドカップの時、あの場所でウェールズ戦を経験しました。

ジェフ:屋根は閉まってた?

大西:はい、閉まっていました。凄い歓声でした。

ジェフ:そうだろ(笑)。あのスタジアムは町の中心にあるから、 みんな試合の直前まで周りのパブでビールを飲んでいて、そのままスタジアムに来る。だからよけい盛り上がるんだ。最高のスタジアムだ。

大西:僕もそう思います。では今年のシックス・ネーションズに向けて、各国の印象を伺います。まず、イングランドが初戦で戦うアイルランドから。

ジェフ:アイルランドは今、とても強いよ。まず、イングランドと違って、選手が試合するペースをコントロールできている。彼らはシーズン中、国内リーグの試合がイングランドの選手の半分以下なんだ。だから 代表の試合に集中しやすい。いいコンディションで試合に臨めるんだ。もともとアイルランドはいい選手が多いし、ヘッドコーチのジョー・シュミットもいいし、代表戦に備えていい準備をしている。2019年の日本でのワールドカップでもすごく面白い存在になるだろうね。

大西:ワールドカップで日本はそのアイルランド、スコットランドと同組になります。スコットランドにはどんな印象を持っていますか?

ジェフ:スコットランドはここ数年、チームがすごく改善されて、プレーが良くなっている。ただ、それがまだ安定していない。ホームで戦う日本の方が有利だと思う。

大西:実際にジェフさんが対戦して感じた、スコットランドやアイルランドのチームカルチャーは何かありますか?

ジェフ:そうだね、まず、スコットランドもアイルランドもウェールズも私たちイングランドが大嫌いなんだ。(スコットランドの)マレーフィールドに行った時は私たちの乗ったバスの前を楽隊が行進してて、 会場入りに30分もかかったんだ。きっと会場入りを遅らせ、ウォームアップの時間を減らそうとしたんだと思うな。
チームカルチャー自体は、チームの中にいた訳じゃないから分からないけど、どのチームも選手たちは基本的にいい人たちだよ。もちろん、皆イングランドには勝ちたいと思っているけどね。

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