「グレイシー一族に恨まれ続けた」元PRIDE戦士のコロナ禍で前進するためのポジティブ対談 『困難を正面から乗り越えていけばいくほど人間は強くなる』
コロナを乗り越えたとき、人類は倍も強くなる
大山 小西さんはガンを4回も克服されていますが、怖くなかったんですか?
小西 3年前に25年ぶりに咽頭ガンにかかったときは動揺しました。でも、これは検査結果が出てオペをやってもらうドクターのいる病院に向かう前日の話なんですが、尊敬する先輩と食事会をする機会があったんです。
その席で、私が「実はガンになってしまったんですよ」と言うと、そこに元警視庁の捜査一課長で宮本武蔵の17代目に当たる先輩がいたんですが、その方が「いやー、小西さん。修行ですね」と笑いながら言うんですよ。
内心「笑っている場合じゃなないだろ」と思ったんですが、その方が言うには「小西さんは今でも一廉の人物かとは思いますが、これからもう一段、二段上に行くために必要な修行なんですよ」と。
聞いてみると一廉(ひとかど)の人物になる修行には3つあり、一つは生きるか死ぬかの「大病」。もう一つは「失職」。例えば会社をクビになりましたとか経営者が会社をつぶして駅前のコンビニでアルバイトしているなんて言うのも失職ですよね。
そしてもう一つが「投獄」。これは強盗や殺人とかいうものではなく、例えば政治がらみで西郷隆盛が沖永良部島に島流しになるとか、ネルソン・マンデラが27年間投獄されるみたいなことですね。
この三つのうちどれかをやらないと一廉の人物(男)にはなれないよと。それからいうと「小西さんはまだ足りない。だから修行ですよ、修行」なんてこと言うんですね。
大山 すごい教えですね。
小西 そうですね。それを聞いて一気に地に足がつきました。なるほどと。それがあるかから死ぬわけがないなと思ったんです。その話を聞いたのが病院に行く前日だったというのも何かのシグナルかと。
これまで私は35年間の登山生活でたくさんの亡くなった方たちを見てきましたが、これは間違いなく死なない方向に、助かる方向に動いているシグナルなんだと確信したんです。
大山 手術が終わってお見舞いに行ったときは、どんな状況になっているのかな?とドキドキしながらいったら、短パンで出てきて、無茶苦茶元気なのには思わず笑ってしまいました。
こんな状況でもこんな明るい状況にする小西さんがスゴいなと。
小西 言ってみれば確信力ですね。人生の困難を正面から乗り越えていけばいくほど人間は強くなります。コロナという大きな困難を乗り越えたとき、人類は倍も強くなりますよ。もちろん個人も同じです。それは間違いないですよ。修行です。
大山 いやー、今回も深い話が聞けました。これを乗り越えて日本が元気になってほしいですね。
小西 地球が元気になりますよ!
大山 そうですね。ありがとうございます!
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
大山峻護(おおやま・しゅんご)
5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。現在は、企業や学校を訪問し、トレーニング指導や講演活動を行なっている。著書に「科学的に証明された心が強くなる ストレッチ」(アスコム)。ビジネスマンのメンタルタフネスを高めていくための本「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」(あさ出版)を出版。
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ファイトネス
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「科学的に証明された 心が強くなる ストレッチ」
「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」
小西浩文(こにし・ひろふみ)
1962年、石川県に生まれる。登山家。15歳で登山を始め、1982年、20歳で中国の8000m峰・シシャパンマに無酸素登頂。1997年に日本人最多となる「8000m峰6座無酸素登頂」を記録。現在、世界8000m峰全14座無酸素登頂を目指して活躍中。映画「植村直己物語」に出演。映画「ミッドナイトイーグル」では山岳アドバイザーを努める。