【スポーツメンタル】苦境にいる人を見て疲れるのは脳神経が原因?思いやりのメカニズム

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[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]

 みなさんは「苦境にいる他人の境遇に共感して自分も疲れてしまった」という経験はありますか。チームでプレイを行う競技に取り組まれている方は、個々人のメンタル管理がチーム全体のパフォーマンスに及ぼす重要性を特に理解されていると思います。ただし、相手の気持ちになって親身になるあまり自分も共感して疲れてしまうことがあります。

「あの人はいつも周りを気にかけているが疲れてしまわないのだろうか」

と感じることもあるでしょう。

【関連記事】【スポーツメンタル】瞑想って脳科学的に効いているの?科学的な裏付けを解説





周囲に目を配ることのできる人間になるためには何か特別な工夫が必要なのでしょうか。そこで、この記事では「思いやりによる疲労の個人差が生まれる理由」について解説します。メンバーのメンタル管理でチームにとってさらに貢献したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

「思いやり」によって生じる疲れ、共感疲労とは

相手の心情や状況を察するあまり自分も疲れてしまったという場合は「共感疲労」という状態になっている可能性があります。

ここではそんな共感疲労について詳しく解説します。

共感疲労とは
共感疲労とは他者の辛い状況に共感しすぎてしまうことで自分自身が精神的な疲れを感じるようになる状態のことを指します。

他人の悩み事を聞いているとき、痛ましいニュースを耳にしたときなど、自分以外の人の境遇を案じ、痛みに共感した際に苦痛や疲労感を感じた経験があるという方もいるのではないでしょうか。

共感疲労は苦境にいる他者の感情に精神的に近づき、苦しみを理解しようとしたことで経験する苦痛や疲労です。

共感疲労が起こると

・疲れが抜けにくくなる
・何事にもやりがいを感じにくくなる
・気が短くなる
・注意力の低下
・不眠
・不安

などの症状が現れることがあります。

共感疲労は感受性の高い人や強い使命感を持っている人に陥りやすい傾向にあると言われます。

チームで取り組むスポーツにおいては、組織における自身の役割を強く意識しすぎると、かえって苦しさを感じるようになってしまうことが多いのかもしれません。

特に、チームメンバーのメンタルケアを少人数で担っている場合など、共感疲労に陥りやすい要因が存在する場合には注意しましょう。

共感疲労と燃え尽き症候群は違う?
共感疲労は往々にして、症状や感じやすくなる状況について「燃え尽き症候群」との類似性を指摘されることがあります。

燃え尽き症候群とは、ある物事へ意欲的に没頭して取り組んでいた人が心身の極後な疲労により、まるで”燃え尽きたように”意欲を失ってしまう状態のことです。

多くの場合、生活に支障をきたすほどやる気が起きにくくなり、慢性的なストレスから発生するという共通点などから、うつ病の一種と考えられることもあります。

共感疲労に「燃え尽き症候群に陥っているのではないか」と感じることや周囲から指摘をされることもあります。

共感疲労と燃え尽き症候群には、症状や発祥の要因となるものなどに多くの共通点が存在します。

混同されることも多い2つの状態ですが、違いがあるとすれば共感疲労は精神的な疲労を感じることに対して燃え尽き症候群は心身どちらにも疲労を感じることが多いという点でしょう。

この2つの状態の区別をつけることはさして重要ではなく、周囲の支えとなる人が細かい症状や背景となる要因などの情報をできる限り把握してあげることが重要なのではないでしょうか。

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