「コロナうつ」を避けるために知っておきたい「心配」・「ストレス」・「不安」の違い ~臨床心理士からのワンポイントアドバイス~
日々広がりをみせる新型コロナウイルスの感染拡大。生活環境の変化や外出制限によるストレスを感じたり、身の回りの人の安全を心配したり、先の見えないこの状況に不安を抱えている人も多いだろう。
そんな中、東京中央カウンセリングの代表臨床心理士・公認心理師・塚越友子さんは、自身のブログ内で、心配・ストレス・不安のちがいについてニューヨークタイムズ掲載のある記事(出典:ニューヨークタイムズ「The Difference Between Worry, Stress and Anxiety」)を踏まえて紹介している。
塚越さんによると、重要なのは、「心配は心」で、「ストレスは体」で、「不安は心と体」でそれぞれ起こるもの。
少量では、心配、ストレス、不安は、私たちの生活の中でポジティブな力になるが、研究によると、私たちのほとんどが心配しすぎ、ストレスを感じすぎて、不安になりすぎているという。
「心配は心」で、「ストレスは体」で、「不安は心と体」で
実際、それぞれがどんなもので、どのような機能があるのだろうか?
■心配
まず、心配とは、心が否定的な思考、不確実な結果、または間違った方向に進む可能性のある事柄に集中しているときに起こることで、心の中だけでおこり、主に思考・考えの部分のこと。
基本的に心配は、脳が問題を処理しようとする機能で、必要な機能であるが、問題を考えて動けなくなるときに機能しなくなり、心配が強迫観念に変わってしまうと問題となる。
■ストレス
次にストレスとは、外部の出来事に関連する生理学的反応のこと。
何かの締め切りに追われていたり、上司からパワハラを受けているなど、ストレスは、脅威に対処するために脳と体を活性化するのに役立っている。
短期的なものは、急いで課題を仕上げて提出することができたりパワーとなって役立つ。しかし、それが慢性的になると体内のコルチゾルやアドレナリンの分泌が止まらず常に戦闘態勢なため、消化器系の問題や心臓病のリスク増加、免疫系の衰弱などの健康上の問題が現れる。