高知商ダンス問題はまさかの「不措置」に 高野連が世間の常識に敗北するまで
あの日本高野連が世論に折れてしまった-。
球界関係者が騒然としたのは2月20日のことでした。スポーツ界の枠組みを超え、広く世間の関心を集めた「高知商ダンス問題」に関して、日本高野連は野球部長の処分を「不措置」としたのです。
そもそも、「高知商ダンス問題」とはなんだったのでしょうか。
話は昨年12月にさかのぼります。同校のダンス同好会が校外の施設を借りて、発表会を行うことになりました。ホール代のレンタル費用など諸経費もかかるため、高校生らしく最小限の入場料500円を取ることになりました。
ダンス同好会は昨夏の甲子園大会で野球部を必死に応援してくれました。今度は俺たちが恩返しする番だ。すでに野球部を引退した3年生部員は、発表会に花を添えようと友情出演を決めます。ユニホームを着て、盛り上げた。ほっこりする、青春のいい話です。地元メディアが好意的に取り上げると、読者からの反響も上々だったといいます。
めでたしめでたし。
フツーの感覚だと、そんなところでしょう。
だが、そうはいかなかった。高野連はこれを問題視します。500円の入場料を徴収するイベントに参加したのは、学生野球憲章で禁じられている「商業的利用に当たる」と判断。ダンス同好会の顧問も務めていた野球部長は謹慎処分が相当であると、日本学生野球協会審査室に上申したのです。
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