五輪まっただ中の緊急事態宣言拡大・・・ワクチン不足で若年層「アストラゼネカ解禁」に悲鳴

　新型コロナウイルス感染拡大の第５波が猛威を振るっている。東京都の新規感染者数は３０００人を突破し、過去最多を更新した。隣接する埼玉、千葉、神奈川の３県の新規感染者数も過去最多を更新し、宣言の対象地域拡大が視野に入る。懸念されてきた東京五輪開催中の感染爆発が現実味を帯びてきた。

　２８日の東京の新規感染者数は３１７７人。埼玉８７０人、千葉５７７人、神奈川１０５１人で、いずれも過去最多となった。３県の知事は２９日に対応を協議し、政府に宣言対象への追加を要請する見通し。政府は３０日にも対応するとみられている。

　感染拡大に伴い、医療提供体制の逼迫も深刻だ。２９日の参院内閣委員会の閉会中審査に出席した政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は、「この感染を下げる要素があまりないが、上げる要素はたくさんある。一般の市民が『コロナ慣れ』していること、デルタ株の感染力が強くなっていること、夏休みやお盆、さらにオリンピックだ」と指摘。「最大の危機は社会で危機感が共有されてないことだ」「接触の機会は徐々に下がっているが、期待されるほどのスピードではない。このまま続くと、先般の大阪のように自宅療養をしている人が重症化し、亡くなることも想定して、今から対策を打つ必要がある」と危機感をあらわにした。「これまでの対応の中で、最も厳しい状況にいる。東京の感染者数が３０００人を超えたこの時期を逃さないで、今まで以上に強いメッセージを出してほしい」と政府に求めた。

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