あの五輪を逃したから変われた 佐藤優香(トライアスロン)
2017.08.01
より本気で夢をつかみにいくために優先順位を決める
― 体でも心でも、他に試合前の整え方はあるのですか?
とにかく体を疲れさせない。体の声を聞きながら、レースの日に最大のパフォーマンスを発揮できるようにします。少しでも疲れたという感覚があったら、そこで終わらせるというのは気にしていますね。調整も追い込まずに短時間で終わらせます。
― 睡眠は何時間ですか?
8時間です。試合前はだいたい緊張して眠れないんですけど。
中央が佐藤優香選手
― 今のモチベーションは、やはり東京オリンピックですよね。日々のモチベーションは何ですか?
東京オリンピックはもちろんなんですけど、「次のレースは何位以内に入る」ということを考えてモチベーションを高めています。短期的には、その日その日の練習を一生懸命やる、その日その日の目標、課題を一つ一つクリアしていく、というのがモチベーションです。
体重のバランス・コントロールは本当に難しい
― 今は2020年東京五輪に向け体で気をつけているのは何ですか?
体重ですね。 体重が上がらないように。体重が上がると、体に負担がかかってケガをしやすくなるんです。だから、コントロールはいつもしていますね。体脂肪があるとスイムではいいんですけど、今度はランでタイムが出なくなります。本当に難しいところなので、体重はバランスですね。
― 2012年から2016年までの心の持ちよう、そして今はどうなのですか?
ロンドンに向かっているときは、「出場したいな~」という気持ちだったんです。でも、ロンドンオリンピックに出場できなくて、「次のリオには出場しなければいけない」と、リオに対する気持ちが大きくなりました。
(飯島健二郎)監督と二人三脚でやってきて、監督のためにも、自分のためにも、リオは絶対に通過しなければいけないと。そのモチベーションがあって4年間、リオに向かって行けたというのがあるんです。その4年間で一番は競技者としてオリンピックを目指す選手として、本物になれたんじゃないかなと思います。
意識の持ち方だったり、練習の取り組み方、向き合い方ですね。本気といった方がいいんですけど、より本気になって夢を確実につかむためのことを考えられるようになりました。
あとは妥協しなくなりましたね。練習も普段も。上に行くために「これは今やらなければダメだ」と、優先順位をつけられるようになりました。
― とはいえ365日それではパンクしてしまいます。どのようにリラックスするのですか?
練習が休みの日も、トライアスロンのことを考えてしまうことが多いんです。だから、外に出歩かない。部屋の中で寝ていたり、携帯をやったり。できるかぎり競技のことは考えないようにしてリラックスしています。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
佐藤優香(さとう・ゆか)
リオ五輪代表、所属:トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ
1992年1月18日 千葉県佐倉市出身
日本橋女学館高校時代から日本ジュニアトライアスロン選手権など、数々の大会で優勝を果たす。
2010年にシンガポールで開催されたユースオリンピックで優勝し、記念すべき金メダル第1号となる。2012年ロンドン五輪は出場を逃したが、2016年リオデジャネイロ五輪では日本選手最高位の15位に入る。