コロナ感染も出場強行した米ライルズ 批判が集まった“秘密の決断”に、金メダルのテボゴは理解「接触スポーツじゃない」【パリ五輪】
レース直後に車椅子で運ばれるライルズ。その疲弊しきった表情からも状態の悪さが見て取れる。(C)Getty Images
大胆な決定だったかもしれない。現地時間8月8日に行われた陸上男子200メートルで銅メダルに終わったノア・ライルズ(米国)は、レース直後に新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたと明らかにした。
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現地時間8月4日に行われた100メートルで金メダルを獲得したライルズは、200メートル決勝に進出。2冠達成に向け、視界良好だったが、決してコンディションは万全ではなかった。なんと2日前の検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたと判明していたのである。
ぜんそくを患うライルズは、レース前にもマスクを着用。ただ、選手紹介の際にも体調を崩しているそぶりはなく、トラックで大袈裟にジャンプしたりと、普段通りの元気そうな姿を見せていた。それだけに走り終えた直後の告白は衝撃でもあった。
米放送局『NBC』のインタビューで、早朝6時から体調が悪かったと明かした名スプリンターは、「(新型コロナ陽性の)影響は間違いなくあった」と漏らした。一方で感染の事実を医療スタッフや家族にしか知らせなかった理由について「パニック状態にさせることは望みじゃなかった。それに競合する相手に『自分が病気だ』と言いたくなかった」「なぜライバルを(教えることで)優位に立たせるのか?」と持論を展開した。