「箱根駅伝はナイキのためにあるのか」-厚底シューズ狂想曲を追う
「なんでみんな同じシューズを履いているんだ!」
1月2日、朝8時。往路のスタートの瞬間から、日本列島に衝撃が走りました。
お正月の風物詩といえば箱根駅伝。実家でコタツに入り、片道107・5キロのたすきをつなぐ若者たちを見つめていると、特に根拠なく「今年も頑張ろう」と思うものです。
娯楽の多様化が進む現代においても、視聴率は常に20%を超える人気コンテンツ。それゆえに「広告宣伝媒体」としても破格の効果が見込まれます。入試出願シーズンを前にした大学サイドは沿道にノボリを立てて、活力あふれるブランド力をアピール。ジョギング人気も高まる中、スポーツメーカーは何とか自社のシューズを使ってもらおうと営業担当者が日々、必死に汗を流しています。
しかし、ふたを開けてみればまさかの「ナイキ1強」。往路では実に80%を超えるランナーが、ピンクと、水色&オレンジの左右非対称の厚底シューズで勝負に挑む結果となったわけですから、他のスポーツメーカーとしては心中、穏やかではありません。
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