新型コロナウイルスの影響で、大会中止・延期を迫られるモータースポーツ界で、混乱と無縁の競技とその理由とは?
新型コロナウイルスの感染拡大の影響はモータースポーツの世界を直撃している。大会の中止、延期もしくは無観客開催など大混乱を招いている。
NASCARエクスフィニティシリーズのトヨタ・スープラ(HRE提供)
オートバイのロードレース世界選手権では開幕戦カタールGP(8日決勝)が最高峰のモトGPクラスを中止し、モト2、モト3の2クラスで開催することになり、22日に決勝を予定していた第2戦タイGPも10月に延期となった。日本でもスーパーフォーミュラ、スーパー耐久の両開幕戦が延期となった。
F1開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)は開催を強行する方向で準備が進められているが、第2戦バーレーンGP(22日決勝)はチケット販売を休止し、無観客で開催する決断をした。4月に予定していた第4戦中国GPも延期を決めており、他のグランプリも予断を許さない状況だ。
「NASCARが中止や無観客開催にするという話は一切聞こえてこない。」
そんな事態を尻目に混乱と全く無縁なのが米国のモータースポーツだ。15日決勝のインディカー開幕戦(米フロリダ州セントピーターズバーグ市街地コース)は予定通りに開催されるもようで、NASCARも既に最高峰のカップシリーズが第3戦まで順調に消化。今週末も第4戦が米アリゾナ州フェニックスで行われる。
NASCAR3大カテゴリーに数えられるエクスフィニティとトラックの2シリーズにチームオーナーとして参戦する服部茂章代表は「NASCARが中止や無観客開催にするという話は一切聞こえてこない。レースをする場所が広いので、人が密集するという観念自体がない」と言う。
観衆の会場への足は自家用車がほとんど。不特定多数と「濃厚接触」する機会は日本と比較するとかなり限定されているのだ。大リーグのオープン戦もフロリダ州、アリゾナ州の2地域に分かれて開催されているが、観客をスタンドに入れて通常通りに試合を続けている。