FA戦線でフラれてBANZAI…試験に出る巨人軍「ドラフト下位の好選手」リスト
「育成の巨人」の面目躍如と言えるでしょう。
巨人は7月を終え、21勝11敗2分けの貯金10。120試合制のペナントレースを快走しています。好調ぶりを後押ししているのが、ドラフト下位で指名された雑草たちの奮闘です。
スポーツ紙のデスクはこう言います。
「巨人=FAで乱獲、という時代は過去の話でしょう。そういう意味では、去年のFA戦線で美馬学、鈴木大地の獲得を目指しながらも、フラれて他球団にさらわれたのは好都合だったと言えます。現有戦力でチームを底上げするしかなくなった。その結果、チャンスに飢えた若手が目の色を変えて貪欲に取り組むようになりました。かつて、巨人のスタメンはドラフト上位の選手ばかりだったけど、下位の選手が目立つようになりましたからね」
これから紹介するのは「試験に出るドラフト下位の好選手リスト」。プロ野球ファンなら押さえておきたい逸材ばかりです。
戸郷翔征投手(18年ドラフト6位)
宮崎・聖心ウルスラ学園出身の20歳は推定年俸650万円。1年目の昨季は27回2/3の登板にとどまっていることから、今季のセ新人王の最有力候補とも言えるでしょう。
高卒2年目での開幕ローテ入りは、球団では87年の桑田真澄以来33年ぶり。すると開幕3連勝をあげ、87年の桑田の2戦2勝を上回り「桑田超え」を果たしました。
スリークオーターから繰り出される直球は150キロ超。物怖じしない強心臓も巨人の次期エース候補にはふさわしいです。すでに5試合に先発。3勝2敗、防御率3・25の好成績を挙げています。まずはシーズンを通じてのローテ定着が課題です。
中川皓太投手(15年ドラフト7位)
守護神・デラロサが離脱する中、セットアッパーから抑えまで、しびれる場面でも実力を発揮できる貴重な左腕です。
東海大時代から視察してきたスポーツライターはこう言います。
「名門の強豪大学でエースを務め、4年春は首都大学リーグで6勝無敗4完封、秋にも5勝1敗の好成績を挙げました。当然、上位でプロに行くと思っていたのですが…意外にスカウトの人気はさほど高くなかった。下位にもかかわらず巨人が獲得したのは、同じ東海大出身の長谷川国利さんが当時、スカウト部長だったことも大きいでしょう」
昨季は67試合に投げ、4勝3敗16セーブ、防御率2・37の好成績。秋には侍ジャパンの一員として、「プレミア12」の世界一にも貢献しました。
前述のライターは期待します。
「育成から這い上がり、『鉄腕』と呼ばれた山口鉄也がモデルケースでしょう。デラロサが戦線離脱の今だからこそ、抑えに定着して岩瀬のように、球界を代表するクローザーになってほしいです」