ちょっと曖昧な「モチベーション」を【見える化】!前編~個人のモチベーションエンジニアリング~
個人のモチベーションをアップさせるのには公式があった!
異動や昇進、配置換え、新人が入ってきたり別れがあったり、ストレス度合いが高まる中で、良いパフォーマンスを上げたい、円滑になりたい、と打開したい課題やテーマをお持ちの人がこの時期一気に増えるのではないでしょうか?モチベーションややる気についてのヒントを社名にまでしてるリンクアンドモチベーションの川村 宜主さんにお聞きしました。
まずは、曖昧な【モチベーション】について、個人の観点からみて、誰にでも共有できる【公式】としてとらえてみましょう。
個人と組織のモチベーションエンジニアリング
モチベーションが公式になった!企業と従業員の相思相愛度合いとは!? ちょっと曖昧な「モチベーション」を【見える化】!
上の図が表す公式は、
個人のモチベーション=【目標の魅力】×【達成可能性】×【危機感】
この公式は掛け算であるというところがミソで、この3つの要素のどれか一つでもゼロになってしまうとその人のモチベーションは0になってしまいます。
では、一つ一つ細かく見ていきましょう。
「目標の魅力」とは
やるべき仕事や達成すべき目標にどうのような意味があるのかということ。どういったところにどのような貢献をすることができるのかそれによってどのような人たちに喜んでもらえるかなど具体的にイメージすることで目標の魅力を高めます。
「達成可能性」
その目標を達成できる可能性が0だとやる気・モチベーションが下がってしまうのでどういうプロセスを経てそこにたどり着けばいいのかという道筋が明確に見えるようにすること。
「危機感」
一番わかりやすいのは時間を区切るということ。いつまでにやる!という期限を決めること。また、その仕事ができなかった時にどんな事が起きてしまうのかというリスクを想像できるようになるとなお良い。
◇上司・先輩が部下・後輩のモチベーションを上げるには?
上司と部下の関係ではモチベーションの公式に当てはめて声掛けをしてあげてください。例えば、部下の「目標の魅力」を高めるためにその仕事の意義を伝える、「達成可能性」を高めるために一度一緒にタスク出しをする、「危機感」を高めるために「これやらないとヤバイじゃん!いつまでにやる?」などと言って刺激してみる等です。
◇個人が自身のモチベーションの低下に対してできることは?
まず前提としてモチベーションは放っておいたら確実に下がります。ただ、モチベーションが下がってきた時にそれを戻していく〝技術〞があるかどうかです。そこで出てくるのが「セルフモチベーションコントロール」です。この「セルフモチベーションコントロール」の一番ベースの部分は「自分が変えられる物事に注力しましょう」ということです。世の中には、変えられるものと変えられないものがあって人間は意外と、変えられないものに心を奪われるんです。例えば、嫌いな上司がいた時に「この上司を変えたい!」と思っても自分の力ではどう頑張っても変えられないですが、自分がその上司に掛ける声の掛け方や頻度などは自分でコントロールすることができるんです。でも、つい人間は「もう本当にこの人のこと嫌い!」という感情に引きずられて変えられないことばかりに注力してしまうんですね。すると結果としては何も変わらないのでモチベーションも上がらない。それならば、自分で変えられない「他人」ではなく、変えられる「自分」の「思考」や「行動」に注力していただきたいのです。
これはスキルなので訓練すれば自分の思考・行動を変えられるようになります。
もう一つ変えられる事に注力するという意味では、「未来は変えられるけど過去は変えられない」ということです。過去の失敗などにフォーカスしすぎても結果は変わらないので、これから先の未来を変えるためにどうしたらいいかに注力していただきたい。
トップアスリートの皆さんがインタビューなどで過去の記録や他選手との比較の質問をされた際に「自分のやれることをやるだけなんで」という答えがそれですね。これは一流選手は皆、自分で変えられることにしか注力していない証拠なんです。
組織も個人も、自分でモチベーションを保つ方法を知っていたほうが良いですよね。その技術は必要だと思います。そういった人が多いと組織としても強くなりますからね。実際、エンゲージメントが上がると仕事の生産性が上がり、結果として利益が上がるという相関関係が出ています。これからの企業は個人から選ばれる会社にならないと発展していかないですね。
■編集部からのお知らせ
3月7日に発売の雑誌「CoCoKARAnext」では読売ジャイアンツ・菅野智之投手のインタビューの他、プロ野球選手に学ぶ仕事術などストレスフルな時期を乗り越える情報を掲載。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
川村 宜主(かわむら・のぶゆき)
2000年リンクアンドモチベーション入社。エントリーマネジメント(企業の採用変革コンサルティング)に10年間携わり、マネジャー・部長などを歴任。グループ会社の設立に携わるなどを経て、現在、グループデザイン室広報・秘書ユニットマネジャー。
株式会社リンクアンドモチベーション
■代表取締役会長:小笹芳央
■資本金:13億8,061万円 / ■本社:東京都中央区 /■創業:2000年
■事業内容: ・モチベーションマネジメント事業( 育成・制度・風土支援)/・エントリーマネジメント事業( 採用・動員支援)/・インキュベーション事業