「ブラホヴィッチを倒したら、アデサニヤの強さは本当に次元が違うことの証明になる」髙阪剛が『UFC259』の見どころを語る

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 日本時間の3月7日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで『UFC259』が行われる。

(写真左より)ヤン・ブラホヴィッチ、イズラエル・アデサニヤ/Getty Images

 ライトヘビー級、バンタム級、女子フェザー級の豪華3大タイトルマッチが組まれた今大会。そのメインイベント、ミドル級王者イズラエル・アデサニヤが、ヤン・ブラホヴィッチの持つライトヘビー級王座に挑戦する一戦の見どころを、「世界のTK」髙阪剛に語ってもらった。





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イズラエル・アデサニヤ 写真:Getty Images


――「UFC259」のメインイベントでは、MMA20戦無敗のイズラエル・アデサニヤがミドル級王者のまま、ヤン・ブラホヴィッチの持つライトヘビー級王座に挑戦。史上5人目のUFC2階級同時制覇に挑みます。この一戦を髙阪さんはどう見ていますか?
「自分は、アデサニヤのMMAに対する意識の高さを感じましたね。ミドル級王者でありながら、あえてライトヘビー級王座に挑戦するというのは、MMAファイターとしてさらに成長するため、自分自身に課したものなんじゃないかと思うんですよ。もちろんリスクもありますけど、その分、得るものがデカいと判断したんじゃないかな。」

――ミドル級王座の防衛を重ねていくという選択肢ももちろんありますが、あえて厳しい道を選んだ、と。
「というのは、今のミドル級ランカーの中で、誰が対戦相手ならアデサニヤのモチベーションが上がるか、上を目指して戦うに値するかと考えると、ちょっと見当たらないですよね。」

――上位ランカーはほぼ一掃し、現在の第一挑戦者候補もすでに完勝している前王者のロバート・ウィテカーです。
「そうなんですよ。だから、いまミドル級に留まって防衛戦を続けるというのは、自分自身にとって得策ではないんじゃないか、と考えた気がします。」

――まだまだ成長できる時期だからこそ、より高いハードルを自分自身に設けるという。ただ、ミドル級で絶対的な強さを誇るアデサニヤといえども、ライトヘビー級タイトルマッチというのは、大きなチャレンジです。
「ハッキリ言って、リスクは高いです。ライトヘビー級は93kg以下で、ミドル級の83.9kg以下とは9.1kgもの差があるんですよ。また、ライトヘビー級の選手というのは、通常体重が100kg以上の選手ばかりですから、もう『ヘビー級』と呼んでいいと思うんですよね。ちょっと他の階級とは次元が違ってくるので。」

――ヘビー級というのは「神に選ばれし者の階級」と言われますが、ライトヘビー級以上がすでにそうである、と。
「だから、ミドル級と同じことをやっても通用しないことがいっぱい起こるはずなんですよ。通用しないのであれば、どう戦えばいいのか、これまでとは違う試合のやり方を考えなければならないだろうし。試合の中でも判断して、二の矢、三の矢を放つことが重要になってくる。」

――これまでとは、まったく違う戦いを強いられる可能性が高いわけですね。
「正直、『なんだ、アデサニヤ。何も通用しないじゃねえか』ということが起こってもおかしくない階級なんですよ、ライトヘビー級というのは。たとえば、テイクダウンを取られた場合、上に乗られてるだけで疲れるし、削られていく。そうなる前にどう対処し、攻略していくのか。それはアデサニヤにとっても未知の領域なんで、決して簡単なことではないですよね。」

――アデサニヤは、身長193cm、リーチ203cmと身長とリーチに関してはライトヘビー級の選手と遜色ないですが、かなりスリムで、無理やりミドル級に絞っている選手ではないですね。
「そうなんです。それでいて、時間をかけて筋肉量を増やして、重量級の体を作り上げて、今回のタイトル戦に臨むというわけでもなさそうですしね。」

――前回のミドル級タイトル防衛戦が半年前です。元ウェルター級王者のジョルジュ・サンピエールなどは、マイケル・ビスピンのミドル級王座に挑戦したとき、時間をかけてすごく体を大きくして挑みましたが、それとは違うと。
「無理に体をデカくするのではなく、減量はしないけれど、ほぼミドル級仕様の肉体のまま、ライトヘビー級でも勝てることを証明しようとしてるんじゃないかと思いますね。だからこそ、ライトヘビー級に転向ではなく、ミドル級王者のまま挑戦という形にしたんだろうし、すごくロマンを感じさせてくれる挑戦だと思います。」

――そして迎え撃つ王者ヤン・ブラホヴィッチは、パワーを前面に出した、まさに『重量級』という選手です。
「カテゴリーとしてはライトヘビーですけど、スタイルとしては『ザ・ヘビー級』ですよね。UFCのチャンピオンだから、もちろん技術レベルも高いものを持っていますけど、パワー、突進力、拳の硬さというのが一番の武器という。だからこそ、アデサニヤとの試合がマッチしたのかもしれない。」

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