「伝説の高速スライダー」伊藤智仁が絶賛する意外なスライダー投手とは
スライダーを操るのは難しい。状態が悪かったらホームランになる一番打ちやすい球
ヤクルトの元投手で、今季独立リーグ・BCリーグの富山の監督に就任した伊藤智仁氏がスライダーの質が高い現役投手に言及した。セガゲームスと週刊ベースボールがタイアップした「野球つく!!」のインタビュー収録に出演。伊藤氏は曲がりの大きい高速スライダーを武器にルーキーイヤーに7勝2敗、防御率0.91という驚異的な数字を残した。今でも「史上最強のスライダー投手」として語り継がれている。
伊藤氏は若手左腕の名前を出した。「(巨人の)田口のスライダーはいいですね。球種はそんなに多くないけど打者が打てないのは、スライダーに力があるんですよ。曲がってからググッとくる。変化球なのに打者は差される。普通の変化球は緩くポーンってくるけど、田口はポーンってきた後にググっとくる。あのスライダーはいいですよね」と絶賛した。
スライダーを宝刀として投げる自身と同じ右投手も分析。「いい投手は多いですよ。楽天・則本もそうだし、スライダーではないかもしれないけど巨人・菅野のカットボールもいい。あとはオリックス・山岡ですね。スライダーの回転数が多くて他の投手とは違う感じがする。ここ(打者の手元)からグーッと曲がるから打者はなかなか打てない」と評価した。
伊藤氏が名前を挙げた田口と山岡だが、今季は苦しんでいる。左のエースと期待されている田口は今季2勝6敗、防御率4.92と結果を残せず今月5日に2軍降格。山岡も2勝8敗、防御率4.93。10試合連続被弾中で被本塁打は両リーグワーストの16本を浴びている。伊藤氏は「スライダーは状態が悪かったらホームランにつながる。一番打ちやすい球なんです。手元で曲がるから打ち取れたり空振りを奪えるけど、この変化が少ないと打たれる。打者はそこを狙っています。曲がり幅は本当に数センチのごくわずかの世界なんですけどね」とスライダーを操る難しさを明かした。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]