投手デビューで示した中日・根尾のポテンシャル 大谷とは違う22歳にしかできない二刀流の形とは
衝撃の投打二刀流1軍デビューだった。中日・根尾昂内野手が21日の広島戦、1-10と大量ビハインドの8回に投手として1軍初登板を果たした。
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「投手・根尾」がアナウンスされると、敵地ながらスタンドがどよめいた。3年時には春夏連覇を果たした名門・大阪桐蔭高時代に、投打二刀流で名を馳せたことは多くのファンが知っている。2週間前の8日には2軍戦で甲子園のマウンドに上がり、近い将来の二刀流デビューを匂わせてもいた。
大量点差がついた試合で、中継ぎ投手の消耗を避けるため、野手が登板することはメジャーリーグではままみられる。つい先日もカージナルスに復帰し今季限りでの引退を公表しているアルバート・プホルスが、42歳にして15-2と大量リードの9回に投手デビューを果たし話題になったばかり。3安打4失点されながら1イニングを投げきり、試合をしめくくった。
マーリンズ時代のイチローや、現ヤクルトの青木宣親もアストロズ時代に登板した経験を持つ。
NPBでも2020年に巨人・増田大輝内野手が0-11の阪神戦で8回1死から登板したことがあった。
だが、この日の根尾が見せたパフォーマンスは、それらの野手登板とは大きく一線を画したものだった。
初球、坂倉への直球はいきなりこの日最速の150kmをマークした。2球目に右前打を許したが、続く小園は右飛、磯村は中飛、中村健は二ゴロと3者連続で凡退させ、1イニングを無失点で降りた。
プロ入り時から投打ともに高いポテンシャルが評価されていた。ドラフト1位で4球団競合の末、地元の岐阜県に近い中日に入団。同時に本人は「野手一本で勝負」と宣言し、正遊撃手・京田に挑戦状をたたきつけた。だが故障もあり出だしでつまずくと、なかなか1軍に定着できない日々が続いた。2年目からは外野手に挑戦するなど、迷走を続けているようにも映った。
今季もここまで打率は1割台。投手として立った9回の打席では力ない一ゴロに倒れた。果たして今後、根尾が進むべき道はどのようなものなのか。