甲子園名物 バックネット裏の「ラガーさん」がテレビ画面から消えた理由とは
甲子園で高校野球の熱戦が連日繰り広げられているが、テレビ中継を見てある違和感に気づいた人が多いかもしれない。今年から毎年バックネット裏の最前列でラガーシャツを着た通称「ラガーさん」の姿が見えないからだ。なぜその姿が見られないのだろうか。
ラガーさんこと善養寺隆一さんは20年近く、バックネット裏で観戦し続けてきた。
普段は印刷業を営んでいるが春、夏に甲子園で開催される高校野球の時期になると仕事を休んで通い詰める。毎試合ごとに異なるラガーシャツを着ていることから、ラガーさんと呼ばれることに。この時期になると仕事を休み、甲子園に入り浸る。ラガーさんが発足した高校野球の私設ファンクラブ「8号門クラブ」はバックネット裏の最前列で観戦するために、8号門入口の前で大会中は連日野宿する。開門と同時にバックネット裏の最前列と2列目に座り全試合観戦する姿は高校野球ファンの間で有名だった。
なぜ、ラガーさんはテレビに映らなくなったのか。
この背景に入場券の発売方法の変更がある。第100回全国高校野球選手権記念大会から混雑緩和のためにバックネット裏の中央特別席を全席前売り指定にすることが決定。バックネット裏前方には主に小中学生を無料招待する「ドリームシート」(118席)が新設された。これまでは自由席だったため窓口まで長蛇の列ができ、ラガーさんも連日徹夜で入場門横に並んでいたが、新システム導入で並ぶ意味がなくなり「立ち退き」を余儀なくされた。
テレビには映らなくなったが、ラガーさんは甲子園通いを続けて違う席で観戦している。大会前の今月1日には盗難被害に遭っていたことが明らかに。甲子園球場付近で深夜まで話し込んだ末に寝込んでしまい、起きたら財布や携帯電話など所持品に加え、今大会の通しチケットもなくなっていたという。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]