楽天・田中将大、代表入りへ猛アピールの「舞台裏」
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突然の出場アピールだ。楽天の田中将大が10月18日、自身のツィッター上で来年3月に開催される第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)への出場の意思を示した。
18日のツィートでは「来年開催されるWBCについて自分の気持ちをお話する機会がなかったので、ここで言わせていただきます。良い選手が沢山居ますし、なかなか簡単なことではないのは重々承知の上ですが、出場したいです!この気持ちを持ってオフシーズンのトレーニングにも取り組んでいきます(原文ママ)」と、大会出場を熱望する文言を綴っている。
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田中は過去、WBCには2009年、2013年と2度の出場経験を持ち、昨年の東京五輪にも出場した。メジャーでの経験も豊富な田中によるこのアピールは、今後の代表チーム編成において大きな影響を及ぼすことは間違いない。
日本復帰後、2年間で計13勝と不完全燃焼のシーズンが続いているものの、高い実績を誇るベテランのWBC出場志願は、3度目の優勝を狙う日本チームにとって頼もしい限りであり、代表入りを目指すという選手としての意地も強く伝わる意思表明だ。
だがその一方で、国際舞台でのプレーを望む言葉の裏には、別の思惑も感じられる。
昨年1月の日本復帰会見では「まだアメリカでやりのこしたことがある」として、米球界への名残惜しさを口にしており、また楽天再入団以降も米メディアではメジャー球団の獲得候補としてその名前が報じられていた。
そのため、注目度も高く、多くのMLBスカウトが集まるであろうWBCのマウンドでピッチングを披露し、メジャー返り咲きを見据えた上での、異例とも言える出場アピールとも捉えられる。昨年、楽天復帰を選んだ理由には新型コロナの影響が大きかったことも明かしており、メジャーの舞台やヤンキースへの想いも語っていただけに、米球界への「品評会」の意味合いも強いWBC出場を望んでいるとしても不思議ではない。