「侍ジャパン」落選続きの菊池雄星がWBC シーズンに無双する理由
無傷の4連勝と絶好調の菊池は、今季どこまで成績を伸ばせるだろうか(C)Getty Images
実力があっても、代表クラスに縁がない選手はいる。菊池雄星もその1人だろう。
侍ジャパンが世界の頂点に立った3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には選出されなかった。昨季、所属のブルージェイズで6勝7敗、防御率5・19と安定感を欠き、それまでのメジャー4年間でも結果を残せていない。代表メンバー落選は必然だった。
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菊池にとってWBCはあこがれの夢舞台。2006年の第1回大会優勝をテレビ観戦して感激し、岩手・花巻東高校時代の目標ノートには「23歳でWBC出場」と書いた。WBCがあった年は、節目となることが多い。日本が連覇を果たした第2回大会の2009年は、ドラフト会議で6球団に1位指名され、西武に入団。第3回大会の2013年は当時の自己最多9勝(3完封)をマークし、ブレークのきっかけをつかんだ。
最大の出場チャンスだったのは2017年の第4回大会。前年初めて2ケタ勝利をマークして代表入りを熱望したが、吉報は届かなかった。菊池は「左投手がいない。だけど呼ばれなかった。信頼されていない証拠」と悔しさをぶつけたその年に16勝し、最多勝を獲得。日本を代表する左腕へと成長した。
大きな夢の1つだったメジャーに2019年から挑戦。第5回WBCを翌年に控えた昨年8月には「必要とされるくらいの成績をしっかり残せるように」と代表メンバー選出への強い思いを口にしていた。またしても手が届かなかったWBCで、高校後輩の大谷翔平がMVPで世界一に輝いた姿を、どんな思いで見つめていたことだろう。