ボンズ以来21年ぶりの1試合2発スプラッシュヒット 期待の日本人初の本命は大谷翔平ではなく吉田正尚か
吉田は打撃技術の高さがメジャーでも評価されている(C)Getty Images
あのバリー・ボンズ以来、史上2人目の快挙だ。パイレーツのジャック・スウィンスキーが5月29日の敵地オラクル・パークでのジャイアンツ戦で、1試合で2本のスプラッシュヒットを放った。
スプラッシュヒットとは同球場右翼への場外ホームランのこと。右翼フェンス後方はサンフランシスコ湾の入り江となっていて、マッコビー・コーブと名付けられている。この海に直接飛び込む特大アーチを同球場名物で、全盛期のボンズが何本も海にブチ込み、そのホームランボールを求める多くのファンがボートに乗って待ち構えていた。
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スウィンスキーは7回にデスクラファニーから、9回にはワイーズリーから、いずれもマッコビー・コーブへ飛び込む特大弾を放った。スプラッシュヒットとなるには最低でも130m以上の飛距離が必要と言われている。
ボンズはこのスプラッシュヒットを、歴代で最も多い35本放った。また2000年5月10日のカージナルス戦、2002年5月18日のマーリンズ戦と2度、1試合2発のスプラッシュヒットを放っていた。この1試合2発を他に成し遂げた選手はいなかったが、21年の時を経て24歳のスウィンスキーが達成。これが今季10号と11号で、デビューした昨年は106試合で19本塁打したスター候補の一人だ。
日本人メジャーリーガーで過去にスプラッシュヒットを打った選手は一人もいない。2010年8月10日にはカブス・福留孝介が右翼場外の海へ飛び込む10号2ランを放った。だが、直前に外野スタンドの旗に当たって落下したために、公式にはスプラッシュヒットとして認められなかった。
スプラッシュヒットを打つには、左打者が絶対的に有利。2021年には交流戦でエンゼルス・大谷翔平が同球場でプレーし、日本人初の期待が高まったが、メモリアルアーチは出なかった。