井上尚弥は「本物だ」 米放送局がフューリーの苦戦を受けて独自見解「モンスターは否定できない。大混乱になる」
数多の名手たちを、至高の格闘技センスで打ち破ってきた井上。そのポテンシャルにふたたび賛辞が贈られた(C)Getty Images
中東を舞台に“異種格闘技戦”は大きな話題を提供した。現地10月28日にサウジアラビア・リヤドで実施されたWBC世界同級王者のタイソン・フューリー(英国)と元UFC世界同級王者のフランシス・ガヌー(カメルーン)によるボクシングのヘビー級10回戦だ。
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最終的に判定(2-1)で現役のボクシングチャンピオンに軍配が上がった一戦。だが、3回にガヌーがカウンターでダウンを奪うなど好戦。フューリーが試合後に「過去10年で一番苦しい試合だった」と漏らすなど、総合格闘家のポテンシャルの高さはボクシング界でも小さくない反響を呼んだ。足をすくわれそうになったフューリーには批判も上がり、元WBO世界スーパーフェザー級王者のバリー・ジョーンズ氏は「正直言って、恥ずかしい」と断じたほどだ。
そうしたなかで、米スポーツ局『ESPN』は「ボクシングは本物か否か」と銘打った記事を掲載。あらゆる階級のチャンピオンたちが「本物かどうか」を同局の識者たちが論じている。
記事では、日本が生んだ怪物にも意見が投じられた。来る12月26日にWBA&IBFスーパーバンタム級統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)との同級4団体統一戦に臨むWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)だ。
今年7月に「難攻不落」と言われたスティーブン・フルトン(米国)を打ち破り、スーパーバンタム級での初陣で王者となった井上。史上2人目となる2階級での4団体統一が目前に迫る30歳の日本人スターについて、『ESPN』のマイク・コッピンジャー記者は「イノウエは本物だ。この手の企画で、『ザ・モンスター』を否定はできない。それは大きな混乱になる」と断言した。
「ナオヤ・イノウエは間違いなく世界最高のファイターだ。なにしろ、『ESPN』のパウンド・フォー・パウンド・ランキングでも、1位のテレンス・クロフォードに次ぐ位置にいる」