ルイス・ハミルトンのF1歴代最多勝タイ記録を妨げることになった競技面のあいまいなルールとは
F1ロシアGPのスタート(メルセデス提供)
それらと比較すると、F1は細かい内容が盛り込まれている技術規則は別として、競技面に関しては、どの規約がルールブックとして適用されるかを含めて非常にあいまいだ。ハミルトン本人も「ルールがどうなっているのか、何がどのように間違っていたのかを確認する必要がある。こんなくだらないことで5秒のペナルティーを2つももらった選手はいない。しかも僕は誰も危険にさらしていない」と抗弁した。
F1の規則には不可解なものもある。例えば、赤旗中断中にピットレーンでタイヤ交換ができること。F1ではドライのレースではタイヤ交換が義務付けられており、赤旗中断の前にタイヤ交換を済ませて順位を下げた選手にとっては非常に不公平になる。「赤旗=レースがストップ」であれば、赤旗が出た時点でタイヤ交換などの作業を禁止にすべきだと思うが。
「歩くルールブック」と呼ばれて、選手からも信頼を置かれていたチャーリー・ホワイティング前レースディレクターが急死したのは昨年の第1戦オーストラリアGPの開幕直前だった。そこからF1の規定に関する問題が頻出しているようにも見えなくない。
ハミルトンは勝利を逃したことで、ミハエル・シューマッハー(ドイツ)が持つ最多勝記録に並ぶことができなかった。レース中にペナルティーが出されなければ、大差をつけての勝利でつまらないレース展開になっていたかもしれないが、後味が悪くなったことだけは間違いない。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
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