10年後のドラフト答え合わせ “史上最高額投手”となる怪腕の才覚を見抜いた「勝ち組」球団は? 超目玉の田中正義を巡って評価分かれる【パ・リーグ編】
日進月歩で進化を続け、今オフにメジャー移籍を決意した今井(C)Getty Images
西武の大きな加点材料となった高卒1位の成長
【西武】
ドラフト会議直後:70点
10年後:90点
1位では単独指名で今井達也(作新学院)を獲得。本格化したのは3年夏と遅かったが、甲子園とU18侍ジャパンで見せた投球は圧倒的で、この指名には納得だった。ただ2位の中塚駿太(白鴎大)は典型的な未完の大器で、正直この順位は高いという印象で、トータルの点数は70点にとどまっている。
そこからの大きく加点となったのは、何よりも今井の飛躍が大きい。プロ入り当初は制球難に苦しんだが、年々凄みを増してリーグを代表する投手へと成長。通算58勝をマークした。加えて大きかったのが、3位の源田壮亮(トヨタ自動車)だ。社会人時代は9番を打つことが多く非力な印象だったが、抜群の守備力を発揮して球界を代表するショートへ成長。5位の平井克典(Honda鈴鹿)も中継ぎとして大きな戦力となり、10年後の採点は12球団で阪神と並んで2位タイとなった。
【楽天】
ドラフト会議直後:65点
10年後:70点
1位では藤平尚真(横浜)を単独指名で獲得。今井や寺島成輝(履正社→ヤクルト1位)と比べると高校時代は少しスケールが落ちる印象だったが、将来性を高く評価したという点では理解できる。ただ、2位以降は5位の森原康平(新日鉄住金広畑)以外は少し順位が高い選手が多い印象で、65点という採点とした。
藤平は1軍定着に時間がかかったが、2024年から中継ぎとして才能が開花し、2025年のシーズン途中からは抑えに定着。森原、9位の高梨雄平(JX-ENEOS)も、すでに退団しているが中継ぎとして戦力になり、10位の西口直人(甲賀健康医療専門学校)も2025年は52試合に登板して防御率1.07という成績を残した。全員がリリーフであるのは少し気になるが、3位の田中和基(立教大)も新人王を獲得しており、わずかながら点数アップという結果となった。
【オリックス】
ドラフト会議直後:80点
10年後:95点
1位では社会人ナンバーワンの呼び声高かった山岡泰輔(東京ガス)の単独指名に成功。2位の黒木優太(立正大)も150キロを超える本格派右腕で、上位指名には納得の印象だ。4位の山本由伸(都城)も個人的には外れ1位指名もあったと思っていただけに、投手の指名についてはかなり成功した印象で高得点としている。
プロ入り後も山岡は期待通り1年目から先発として活躍。ここ数年は少し調子を落としているが、ここまで通算48勝をマークしている。黒木も故障に泣いたが、1年目から55試合に登板して存在感を示した。そして何よりも大きかったのは山本の成長だ。
2年目に中継ぎとして1軍に定着すると、3年目には先発に転向し、最多勝と最高勝率3回、最優秀防御率と最多奪三振4回、沢村賞3回など球界最高の投手となった。周知の通り、2023年オフにドジャースに投手の史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約495億円=当時のレート)で移籍しているが、在籍期間中に残したプラスは計り知れないものがある。
オリックスとしては、3位の岡崎大輔(花咲徳栄)がほとんど戦力になれなかったのは誤算だったが、6位の山崎颯一郎(敦賀気比)も中継ぎとして大成しており、限りなく満点に近い点数をつけられるだろう。
[文:西尾典文]
【著者プロフィール】
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。
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