異例ずくめのメジャー最終戦「全米女子オープン」大会の見どころを、レジェンド、カリー・ウェブが語る
シーズンも終盤戦を迎える中、12月開催、メジャー最終戦と、その長い歴史でも、異例ずくめでの開催となる「全米女子オープン」。今シーズン最後のメジャーには、畑岡奈紗、渋野日向子らをはじめとした多くの日本勢も出場を予定している。
この注目必至の一戦を前に、今季のWOWOW LPGA女子ゴルフツアー アンバサダーのカリー・ウェブにリモートインタビューを実施。「全米女子オープン」での連覇をはじめ、LPGA女子ゴルフツアー41勝、メジャー7勝という偉大な記録を持つレジェンドならではの視点から、今大会の見どころや日本勢の可能性について語った。
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Q:新型コロナの影響で、今年はいつもと違ったシーズンになっています。ここまでどういう印象をお持ちですか?
今年は例年にないシーズンです。選手たちはコース上だけでなく、毎日の生活の中でも全く気を抜くことができません。新型コロナに気をつけるのはもちろん、守らなければならないルールが数多くあります。私は先日トーナメントに出場して、そのルールに沿って動いたのですが、本当にたくさんのルールがあり、毎週それをやり続けるのはとても大変なことです。それらを全て守り、コロナにかかることなく、素晴らしいプレーを見せている選手たちは皆、本当に偉いと思います。
Q:2000年にあなたが初めて全米女子オープンで勝った時の事を話してください。
全米女子オープンは最高レベルの大会であり、そこに名前を残せるのは最高の名誉です。2000年は、私にとって5回目の全米女子オープンでした。5年のキャリアの中でも好調な1年で、自信を持って大会に臨みましたが、優勝を意識しすぎてプレッシャーとなり、調子が上がりませんでした。実際、最初のホールではボギー。でも、その次のホールをなんとか乗り切り、そこからは過去最高のプレーをすることができました。全米女子オープン初優勝は最高の気分でした。
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Q:そして翌年の2001年も優勝されました。全米女子オープンでの2年連続優勝は非常に難しい事だと思うのですが?
私が2000年と2001年に連覇して以来、誰も成し遂げた人がいないことから見ても、明らかに難しい事だと言えるでしょう。 1番の理由は、毎年違うコースで開催されることにあると思います。2年連続して開催コースが自分に合うというのは、なかなかないことです。コースが自分にうまく合っていないとなると、それは本当にストレスです。2年連続して、そうしたストレスなく上位でプレーできるなんて、なかなかないことではないでしょうか。
2001年もいいプレーができていて、自信もありました。またディフェンディング・チャンピオンであるという事も、私の自信の源になっていました。だから、あの大会は、私のキャリアの中でも初日から最終日までずっと、最も安定した最高のゴルフができた大会だと言えます。スイングが全てうまくいったので、どんな風にもプレーできました。 私のキャリアの中で引っ掛けたスイングがなかった大会は、あれが唯一だと思いますね。
Q:全米女子オープンは、他のトーナメントより難しいコースセッティングになっていますか?
そうですね。USGAは、LPGAの公式なコースセッティングとは違ったセッティングにしているのではないかと思います。 ティーを動かすことによって、トーナメントに新たな側面を加えて、選手たちを1つ1つのホールに集中させる感じです。だから、毎日同じティーのセッティングでプレーすることはありません。ティーを動かすことで新たなアングルが生まれ、例えば今日はこのバンカーを超えられるけれど、それにより別のハザードが気になるということもあるでしょう。
最近のUSGAのセッティングはチャレンジングではあるけれどフェアなものになっています。優勝スコアをイーブンパーか1、2アンダー辺りに設定しているようですが、それほど厳しいセッティングにはなっていませんから。ここ15年、コースセッティングはかなりフェアなものになってきていると思います。
Q:スケジュール変更で12月の開催となりました。どんな影響があると思われますか?
今回の大会は過去に例を見ないものになると思います。例えば去年はチャールストン(サウスカロライナ州)で開催され、気温は38度位あり、暑い大会でした。今回は今までで一番寒い大会になるわけで、これは初めてのことです。それに加えて日照時間が短いので、初日・2日目は2つのコースに選手を分けて行われることになります。なので、今年の全米女子オープンは、これまでの大会とは全く違う様相になるでしょう。選手たちにとっても、初めての経験になることは間違いありません。