「魂のこもった投球」注目集めた山本由伸の“多投”に韓国メディアは感心 10年前の田中将大の伝説も回想「日本人は違った」
圧巻のピッチングを見せた山本に米識者たちも賛辞を惜しまない(C)Getty Images
観る者をあっと言わせる完投劇だった。
11月4日に京セラドーム大阪で行われた日本シリーズ第6戦でオリックスは阪神に5-1で勝利。王手をかけられた土俵際で、昨季王者の意地を見せた。
【動画】まさにエースだ! 山本由伸の阪神戦の快投シーンをチェック
チームの連覇に望みを繋いだのは、エースの気迫の投球だ。オリックスの先発マウンドに立った山本由伸である。
第1戦に5回途中7失点でノックアウトされていたが、中嶋聡監督に「山本由伸が2回連続でやられるわけがない」(勝利監督インタビュー談)と背中を押されてマウンドに。2回表にシェルドン・ノイジーに先制ソロホームランを打たれるも「調子は良かったので気にしなかった」(ヒーローインタビューでの本人談)も、小気味よいピッチングを披露。攻勢を強める阪神打線を完璧にねじ伏せた。
終わってみれば、9回1失点、被安打9、14奪三振で完投。ポスティングによるメジャー移籍が有力視される山本は、日本球界では最終登板と見込まれ、大きな注目を集めたなかで、これ以上にない内容で投げ切った。
この頂上決戦で25歳の若武者が見せた貫録の投球には、海外メディアからも熱視線が注がれた。反響が相次いだなかで一部のメディアがクローズアップしたのは、山本の投球数「138」だ。
中嶋監督曰く「もう本当に8回の時から、もうリミットないよっていうのを伝えて、本人も『分かりました、行きます』っていう話だった」という。それだけに両者が納得しての多投だっただけだが、やはり先発投手は80~90球前後がリミットとされる米球界などでは異例とも言うべき球数。ゆえに米ポッドキャスト番組『Talkin’ Baseball』は公式X(旧ツイッター)で「138球を投げ、なんと完投もした」と驚きをもって伝えた。