プロ野球選手の年俸はどうやって「推定」されるのか
プロ野球のシーズンオフ。スポーツ新聞の紙面を派手に飾るのは契約更改の話題です。
アップか、ダウンか、現状維持か。大幅ダウンで「保留」になったりしたら、ファンにとってはもう他人事じゃありません。人様の給料にもかかわらず「強気にいける成績かよ」、「球団から不満分子と思われなきゃ良いのだが」などと勝手なことを言い合うのもまた、楽しみといえるでしょう。
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「で?いくらなの?これくらい?」
新聞報道には必ず(金額は推定)とあります。どうやって「推定額」を導き出すのでしょうか?
契約更改の基礎知識。まず知っておきたいのは、球団側も選手も金額を正直に言う義務はないと言う事です。契約更改を終えた選手は球団広報に導かれ、会見場に姿を現します。ずっと2軍だったマイナー選手であっても、です。
担当記者は「この1年を振り返って」「来季に向けて」といった定番の質問をした後、「で、どのくらいでしたか?」と本人に尋ねます。
記者はシーズンの成績を踏まえた上で、指で数字を作って「これより上?」、「そのまま?」、「ちょっと下がっちゃった?」などと矢継ぎ早に質問し、本人の表情などから金額を推定していきます。ちなみにこの会見では選手が「結婚しました!」、「背番号が変わります!」といった「お知らせ」をすることも多いです。
球団側から「ウチはそんなにシブチンじゃないって!」と物言いがつく事も…
その日の全員の契約更改が終了すると、球団側の代表、本部長、GMクラスが取材に応じます。
ここで報道陣は、さきほどの推定額を球団側に当てます。あまりに大きな開きがある場合は、球団側から「そんなに上がっていないよ」、「下げすぎだよ!ウチはそんなにシブチンじゃないって!」といった物言いがつき、何となくそれらしい数字に着地していくという流れです。