プロ野球選手がガムを噛むメリットとは
極度に緊張する選手はガムによる唾液分泌効果で精神安定剤の側面も
「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は「プロ野球選手とガム」についてお話させて頂きます。
私はロッテ、ヤクルト、DeNAでコンディショニングコーディネーターとして活動してきましたが、ガムに対する姿勢は球団によって異なります。青少年への影響を考えてプレー中に噛むことを禁止している球団もあります。一方でロッテは親会社が菓子メーカーということもありますが、ガムがベンチに常に常備されてガムを噛むことを推奨しているため、積極的にガムを噛みながらプレーしている選手は多いです。
ガムを噛むことで得られるメリットもあります。脳への血流が活発になって心拍数が安定し、集中力も高まります。また歯を強く食いしばるためマウスピース代わりにもなります。極度に緊張する選手はガムによる唾液分泌効果で精神安定剤になっている側面もあります。米国の選手たちもガムやヒマワリの種を好んで食べます。ヒマワリの種の場合は殻を吐き出すため、ベンチの床が殻だらけになっている光景を見たことがあるかもしれません。
ガムを噛んでいる姿が粗野に見えたり、非紳士的と考える人や球団の方針を否定するつもりはありません。考え方はそれぞれです。個人的にはガムを噛んで選手がプレーすることに特に違和感を覚えません。時代の風潮も含め、科学的、医学的な証明が更に進めば、今後ガムを噛む選手の姿が更に増えても不思議ではないと思います。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
高橋 純一(たかはし・じゅんいち)
MLBサンディエゴパドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。17年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。
J.T. STRENGTH & CONDITIONING コーポレートサイト(http://www.jt-sc.com)