プロ野球タイ記録シーズン5人目のノーヒッター誕生、82年前とは違う投球技術の進化を生んだ理由とは?
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ビッグボスもびっくりのノーヒッターが誕生した。日本ハムのコディ・ポンセ投手が27日、ソフトバンク戦で史上87人目、通算98度目となるノーヒットノーランを達成した。打者28人に対して、初回の死球と9回の四球のみで、113球で封じ込めた。
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150km台の動く速球で、バットの芯を手元で外した。6三振を除く内訳は、内野ゴロが9つで、内野フライが3、外野フライが8。最後は9回1死一塁から右打者の今宮に対してツーシームを食い込ませ、遊ゴロ併殺に打たせて取った。
「こんなにうれしいことはない」と右腕は大絶叫し、喜びを爆発させた。まだ今季3勝目。本拠地の札幌ドームでは初登板だった。日本ハムは今季限りで本拠地球場を移転するため、札幌ドームで最後のノーヒッターとなる可能性もある。
これで今季のノーヒットノーランは5人目。4月10日に完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希に始まり、5月11日にソフトバンク・東浜巨、6月7日にDeNA・今永昇太、6月18日にオリックス・山本由伸が快挙を成し遂げてきた。同一シーズン5人のノーヒッター誕生は、1リーグ制時代だった1940年以来、82年ぶりとなるプロ野球最多記録だ。
投球レベル向上による投高打低を物語るデータとなった。近年の野球界のトレンドはハイテク化。特に投手はトラックマンやラプソードに代表される測定機器の恩恵を受けやすい環境にある。これらでリリースポイントや投球の回転数、回転軸、変化球の変化量などを数値化。高精細なスロー動画でフォームを可視化し、どのような投げ方をすれば最も効果的なボールを放ることができるのか、誰でも知り得る時代となった。こうした進化は、受け身である打者よりも、自らボールを投げることでプレーが始まる投手の方が、享受できる利益が大きい。