松坂が引退・・・功労者「出戻り」を解禁した西武の裏事情
間違いなく、1つの時代が終わりを告げる。西武松坂大輔投手(40)が今季限りの引退を決断したことが明らかになった。
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野球を知らない人でも、名前を知っている国民的スーパースター。98年に横浜高校エースとして甲子園春夏連覇を果たすと、西武では高卒入団1年目で最多勝を獲得。「平成の怪物」と呼ばれ、2度のリーグ優勝と04年日本一に貢献した。WBCでは2大会連続MVPで連覇の原動力となり、レッドソックスでもワールドシリーズを制覇。「松坂世代」のリーダーとして印象的な活躍を見せ、プロ23年間で日米通算170勝をマークした。
昨年、14年ぶりに古巣復帰した西武ではケガの影響もあって1軍登板はかなわなかった。それでも、球団にとっては「西武でユニホームを脱いでくれた」ことに意義があった。メジャー挑戦時、移籍金として約60億円のビッグマネーを球団にもたらした功労者。キャリア終盤を迎えた松坂獲得に名乗りを上げた目的の1つは、最後の花道を用意することだった。
西武は海外移籍に寛容で、松坂の後にも菊池、牧田、秋山らが続き、メジャーへの道を歩んだ。また12球団でもっともFA流出が多く、涌井、岸、浅村ら手塩にかけて育てた主力選手の退団が毎年のように続いている。全盛期に他球団へ移籍する主力選手を快く思わないファンは多く、残留要請を断られた球団幹部との関係もギクシャクし、簡単には「出戻り」が許されない空気があった。その流れを変えたのが、義理人情に厚い渡辺久信GMだった。