燕・村上にあってサトテル、岡本和に「ないもの」 劇的3打席連続本塁打で見えてきたものとは

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 これぞ主砲だ。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)は31日に行われた阪神戦(甲子園)で3打席連発となる自身初の1試合3本塁打をマーク。敗れれば、2位阪神に8ゲーム差と迫られたゲームで、チームの全打点をあげるなど主砲の役割を果たし、連敗ストップに貢献した。

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 まずは2点を追う7回だ。先頭打者として打席に入った村上は左腕、渡辺の外角高めのスライダーを捉えると左翼席へ飛び込む35号を放ち、1点差に迫る。続く9回は一死から同じく左腕守護神の岩崎の初球、内角を攻めてきた球を今度は思い切ってしばき上げた。同点となる36号ソロは右翼席へ。ライトからレフト方向へ吹く甲子園独特の浜風も計算に入れ、パワーで打球を運んだ。

 「インコースに来るなと思っていた。浜風なのでしっかり打たないと入らない。いいスイングができたかな」

 さらに圧巻は2ー2のまま延長に入った11回二死一塁の場面。2ボールからこの回から登板した石井の高めのカーブを捉えると打球は左翼席へ。3打席連続となる勝ち越しの37号2ランを放つと、ようやくホッとした笑顔を浮かべた。ゆっくりとダイヤモンドを1周、この活躍には阪神ファンからも惜しみない拍手が送られた。敵、味方関係なく、野球人として尊敬を集めた瞬間だった。

 劇的な3連発で阪神を退けた若き主砲。1試合3発は自身初。浜風があることで左打者泣かせともいわれる甲子園で状況に応じて、広角に打ち分けた。両リーグトップの37号はシーズン56発ペース。本塁打王争いは2位以下に10本以上、差をつけ独走。日本人選手最多、64年の王貞治が記録したシーズン55本塁打超えも視野に入ってきた。

 お立ち台でのセリフも「らしさ」満点だった。この日の試合の4打点はすべて村上があげたものとなった。4番のプライドを問われると「それぐらい責任を背負っていますし、そういう打順というのは自覚している」とキッパリ。開幕から全試合で4番として先発出場を続ける。コロナ禍で選手が大量離脱したときも先頭に立ってチームを鼓舞し続けた責任感を、この大事な首位攻防戦で結果として示したのだ。

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