村上宗隆と大谷翔平の大きな違い。熱望した早期メジャー挑戦を阻む「譲渡金の壁」とは

タグ: , , , , 2022/11/17

 では村上も、大谷のようにイバラの道を覚悟の上で若くして海を渡るべきなのか。当時の大谷と今の村上で、大きく異なる点が一つある。NPBの所属元球団に支払われる譲渡金だ。

 大谷が海を渡った2017年オフは、旧ポスティングシステム。獲得球団から所属元球団へ支払う譲渡金は2000万ドル(当時約22億円)を上限に、NPBの所属元球団が決められた。その金額を支払う意思のある球団は、全球団が交渉を行うことができた。日本ハムは当然、これを2000万ドルに設定。エンゼルスからその額が支払われた。

 ところがポスティングシステムは2018年オフから改正された。譲渡金については、選手が結ぶ契約総額の15~20%となるように改められた。大型契約を結べば十分な譲渡金を得られる。だが、国際ボーナスプールの対象選手となるような若手選手は、大型契約が結びようもない。この点が、村上というよりも、ヤクルト球団を渋らせることになる。

 CBSスポーツでは村上が現時点でメジャー挑戦した際の契約総額を試算。国際ボーナスプールの額は、他球団とのトレードなどで増額することもでき、それでもせいぜい600万ドル(約8億3400万円)がいいところだろうとした。その場合、ヤクルトに支払われる譲渡金は20%の120万ドル(約1億6680万円)にすぎない。「これがスワローズの決断に影響を与えるかも」と指摘した。

 大谷の時は、大谷本人が煮え湯を飲めば良かった。日本ハムには約22億円が残った。だが、村上が今動けば、村上だけでなくヤクルト球団にも残せるものはごくわずか。早期メジャー挑戦を願う気持ちは確かだろうが、すぐに動くことはあり得ない、というのが周辺の一致した意見だ。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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