「いつか日本に恩返しを」“広島愛”溢れるディアスが実現を目指す夢とは?新井監督との”事件”も回想「前田さんと金本さんにすごく怒られていた(笑)」【後編】
ディアス氏にとっても新井監督との思い出は印象深いようだ(C)産経新聞社、左は本人提供写真
エディ・ディアスは1999年から2002年まで4シーズンにわたり広島カープでプレーし、記録と記憶に残る助っ人として活躍した。現在は母国ベネズエラで指導者として活動しているディアスは、いずれ日本でコーチをするという大きな夢を抱いており、自分の経験を日本の選手に伝えることで「恩返し」をしたいと語る。
その日本での現役当時、「楽しい思い出ばかり」と振り返るディアスは、チームメイトとして過ごした新井貴浩現監督とのエピソードを楽しそうに話してくれた。来日初年度、ディアスの打球がスタンドに入りホームランだったはずが、ランナーで出塁していた新井監督がなぜか逆戻りし、ディアスが追い越してしまうという有名なハプニングを笑い声と共に回想した。
「あの出来事の後、新井さんは、前田(智徳)さんと金本(知憲)さんにすごく怒られていました(笑)。その姿をみた時、すごく可笑しくて笑ってしまいました。僕も打った後、彼が自分に向かってくるのが見えて、『なんでこっちに戻ってくるの?ホームは向こうだよ』と思ったんです。新井さんはそういうエピソードが多かったですね。自分より年下の新井さんはいつも、『ディアスさん、ディアスさん』と声をかけてきてくれて、日本語も色々と教えてくれましたし、一番仲の良かったチームメイトだったと思っています」
広島加入から3年目の2001年にはベストナインにも選出される等、リーグを代表するまでの活躍をみせた。当時、対戦相手で最も印象に残った投手の名前も聞いてみた。
「ヤクルトの石井(一久)さんですね。彼はいつも真っすぐで勝負してきました。自分が三振に打ち取られた時でも、決して派手なガッツポーズなどもみせず、選手としても人間としてもリスペクトしていました。何度も対戦し、石井さんもきっとそう思っていてくれたと感じました。彼がメジャーに行く直前には、1試合で2本のホームランを打てたこともいい思い出です。僕はメジャーで対戦した中ではランディ・ジョンソンが最高の投手だと思いましたが、日本では石井さんが強く印象に残っています」