サステイナブル優先で”格差”はスルー? 選手村の「部屋が暑すぎる」問題 「夜はドアを開けて寝ている」状態でも組織委員会は正当性を主張【パリ五輪】
この“格差”を生み出したのは大会組織委員会と言えるはずだが、パリ五輪のスポークスパーソンは、次のように話している。
「暑熱に関して、我々は2つの重要な側面のバランスを見出そうと努めてきた。未来へのサステイナブルな地域モデルの創造という長期的な目標と、トップアスリートに最高のコンディションで準備をしてもらうという短期的な義務の間に。ただし一定の国の代表団は、五輪が選手にとってしばしばキャリア最大の大会になることを考慮し、移動式エアコンの導入を選択している」
国際五輪委員会は、選手村の下の地中から冷水を引き上げて建物全体を涼しくし、日中のもっとも暑い時間帯でも各部屋を23〜26度に保てると主張している。だが例えばオーストラリア五輪委員会のマット・キャロルCEOは、「これはハイパフォーマンスが競われる五輪だ。ピクニックに来ているわけではない」と言ってエアコンの導入を決めた。
これまでに発注されたエアコンは2700機だが、五輪村には7000以上の部屋がある。そこには思わぬ格差が生じ始めている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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