【現役選手の視点/齋藤拓実】黒星発進の日本、18点差のドイツ戦から見えたフィンランド戦のポイントは?【バスケW杯】
馬場(写真)と渡邊の奮闘が目立ったドイツ戦。フィンランド戦でもこの二人の出来が試合展開を左右するだろう(C)Getty Images
8月25日にFIBAバスケットボールワールドカップ2023が開幕した。日本代表(FIBAランキング36位)は、1次ラウンドのグループEの初戦でドイツ代表(同11位)と対戦し、63-81で敗戦。日本の武器である3ポイントが”不発”に終わったこのゲームを、「現役選手」はどう見たのか。トム・ホーバス政権下での代表入り経験を持つ名古屋ダイヤモンドドルフィンズのポイントガード、齋藤拓実に試合の感想と次節フィンランド戦へのポイントを聞いた。
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日本はオフェンスでかなりシュートを打ててはいましたが、3ポイントの確率(6本/35本=成功率17.1%)が上がらなかったのが響きました。馬場雄大選手が試合を通してかなりペイントアタックしていて良いプレーを見せていましたが、チーム全体として見るとゴール下に切り込んでレイアップに行けそうなところでもキックアウトしてしまったりとか、そういう場面が多かったのは気になりました。ペイントへのアタックがチームとしてもっと上手くできていれば、もう少しオープンに3ポイントのシュートが打てたのではないかと感じました。
例えば、富永啓生選手も試合を通してなかなかシュートを打たせてもらえなかったと思うんですが、チームとして上手くペイントアタックし、富永選手をマッチアップしている選手がローテーションせざるを得ない状況を作れれば、もっといい形で打たせることができたのかなと思います。
一番気になったのはリバウンドです。相手にリバウンドを取られてセカンドチャンスを与え過ぎていたように感じます。やっぱりリバウンドが取れないとイージー2ポイントでの失点が増えてしまいます。逆にリバウンドがしっかり取れている時は、かなり日本のリズムになっていたと思うので、3ポイントの確率とリバウンドのところが修正できていれば、点差ほどの実力の差はないのかなと感じました。
あとは、フリースローの確率(日本は11本/17本=64.7%、ドイツは7本/9本=77.8%)です。得失点差も含めると1点1点がすごく大事になるので、決めていきたいですよね。普段なら入るような選手でも落としてしまったりとか、やっぱり国際大会の初戦という難しさがあったのかもしれません。チームとしてちょっと確率が低かったので、そこは早急に修正すべきだと思います。
印象に残った選手は、やっぱり馬場選手です。ワールドカップ予選では見られなかったような馬場選手らしいプレーが見れたので、そこは本当に次の試合につながる好材料だったと思います。今までの日本代表のバスケはポイントガードが起点になることが多かったんですが、今日はポイントガードだけでなく、馬場選手が起点になってフリーのシュートを作ったり、合わせから点を取ったり、あるいは自分で決め切る形もあったので、トランジションも含めて今日は馬場選手らしさが見られたのは良かったと思います。