柔道・阿部兄妹、史上初の同日金メダル獲得! 今こそ思い返したいきょうだいアスリートの活躍
柔道女子52キロ級で阿部詩(日体大)が金メダルを獲得した。さらに兄も続いた。男子66キロ級の兄・阿部一二三(パーク24)も金メダルを獲得し、兄妹で五輪同日金メダルを決めた。性別の異なる日本の兄妹選手が五輪で同日に金メダルを獲得するのは柔道史上初めての快挙となった。
「2人で金メダル」。かねてから目標を口にしてきた阿部兄妹がついに夢を叶えた。先陣を切ったのは妹の詩だった。初戦から順調に勝ち上がり、決勝では強豪、アマンディーヌ・ブシャール(フランス)に延長の末、一本勝ち。この階級では日本柔道初となる金メダルを獲得。妹に続けとばかりに兄の一二三も順当に勝ち上がる。決勝ではマルグベラシビリ(ジョージア)に対し、1分50秒にスキをついて、大外刈を決めた。これが技ありと判定。最後は優勢勝ちで金メダルを獲得した。
試合後は妹が先に金メダルを獲得したのちに決勝に挑んだことに関して「僕にはすごい燃えたというか、絶対やってやるしかないっていう。プレッシャーなんか全然なかったです」と妹の頑張りが励みになったと認めた。
さらに「今日は本当にワンチャンスをものにするしかない、と常に思っていた。きょうはものにできた」と語ると、同時金メダルについては「歴史に名を刻めた」と充実の表情を浮かべた。
共に初出場で金メダル。前評判通りの実力を見せたが、過去を振り返ればきょうだいアスリートは意外と多い。今だに人々の記憶に残るのはマラソン界の「宗兄弟」だ。宗茂(そう・しげる)と宋猛(そう・たけし)は双子のアスリート。2人そろって出場が決まったモスクワ五輪で日本はボイコット。雪辱を期して臨んだ1984年のロサンゼルス五輪では暑さに負けて、2人ともにメダルに手が届かず。瀬古との名勝負も広く知られている。ちなみに今でも二人は仲がよく、今年4月に宮崎で聖火ランナーを務めたことも話題になった。