「ふつうは言わないよね?」矢野監督の退任表明はやはり逆効果!?【橋上秀樹氏×佐藤義則氏対談】
開幕9連敗を喫した阪神。振り返れば、今春のキャンプイン前日に矢野監督自らが今季限りの退任を発表するなど異例のシーズンとなった。監督に求められる資質とはいったい何なのか。
現役時代阪急で活躍し、ノーヒットノーラン成など数多くのタイトルを獲得。引退後も投手コーチとして、ダルビッシュ有や田中将大の育成に携わるなど、数々の名投手を育て上げた佐藤義則氏をゲストに迎え、現役時代、ヤクルトなどで活躍し、引退後は楽天、巨人、西武、ヤクルトさらには侍ジャパンでコーチを務めた現・BCリーグ新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ監督の橋上秀樹氏のYouTubeチャンネル「橋上秀樹アナライズTV」で語り合った。
【動画】佐藤義則氏・橋上秀樹氏が分析する今年の阪神の巻き返し!
野村監督率いる楽天時代に、佐藤氏は投手コーチとして、橋上氏はヘッドコーチとして共に同じチームで選手の育成に関わった経験を持つ両者。そんな両者が、シーズン前に物議をかもした矢野監督の退任表明について意見を交わした。
阪神は開幕から9連敗を喫するなど、セ・リーグの最下位を独走。交流戦からは調子を取り戻しているが、前評判が高かったチームだけに、不調の原因は様々な部分に予想される。
そんな中で佐藤氏は、矢野監督がキャンプイン前日に「今季限り」と退任表明をしたのがチーム状態に影響しているのではないかという考えを明かしている。
この表明について両者は「ふつうは言わないよね?」と共通して否定的な意見を持っていることを確認。佐藤氏は「やめると思っていても、言わない」と語れば、橋上氏も「どういう効果を期待して言ったのかよくわからない」と、橋上氏も首をかしげた。さらに佐藤氏は、
「今年でやめるから頑張ってほしいという意味があっても、頑張らないでしょ。選手からしたら、今シーズンがスタートするって時に今年でやめるからと言われたら、10人中9人は『えっ!?』って普通はなるでしょ。結構矢野はそういうところがあるんだけど、びっくりした。だから辞めるにしても、自分で言う事じゃないと思うけどね」
矢野監督の退任表明の裏にあると思われる選手奮起の起爆剤としての効果も薄いと持論を語った。