19年前に何が決断させたのか 中田英寿が語る電撃引退の理由「“新しい人”が自分を導いてきた喜びを奪った」
良くも悪くもビジネスが絡み、より純粋さは失われている感が否めない現代サッカー界。中田氏は、その変化を敏感に感じ取っていたのかもしれない。
現役生活を離れてから中田氏は「世界に自分の居場所を見つける必要があった」と世界を周遊。その中で日本酒や農業など日本文化の継承や発展を目指し、実業家としてのセカンドキャリアもスタート。今も忙しない日々を送っている。
無論、サッカーそのものが嫌いになったわけではない。自身の現況をふまえて「このスポーツ(サッカー)での道のりのおかげで、僕は今でも唯一無二の人間関係、仕事の関係を保てている」と語っている。
「今日ここであなたと話しているのも、ピッチで達成した目標によるもの。おそらく、サッカーがなければ、今の僕が築けたことは築けなかっただろう。同じ可能性を手にすることはなかった」
独特な言い回しで自身の人生を振り返った中田氏。そんな名手の言葉に触れた同誌は、インタビューを次のようにまとめている。
「ヒデトシ・ナカタは実物よりも大きい人、つまり多様性を内包している人だと定義できる一人だ。そよ風ではなく、荒れ狂う風に誘惑された彼は大衆を退屈させることも恐れず、自分のイメージと名声を利用する方法を熟知していた。
90年代から00年代にかけて、彼は最も輝かしい才能の持ち主の一人であったにもかかわらず、今日の彼はサッカーよりも日本の農民や職人の運命に大きな関心を寄せている。過度なメディアから離れているナカタは、新ロールモデルの一人でもあると同時に、現代スポーツの陳腐な物語からの真の脱却を体現している」
引退から時が経っても、多くの人々の脳裏に焼き付いている中田英寿。そのカリスマ性は、やはり唯一無二だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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