F1業界に激震 ホンダがF1からの撤退を決めた理由とは?
マックス・フェルスタッペンが駆るレッドブル・ホンダのマシン(ホンダ提供)
ホンダの中でもF1の撤退の是非は、2018年末あたりから活発に上層部で議論されていたという。
その後、ホンダジェットなど同社の航空技術を取り入れて、19年にレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が第9戦オーストリアGPで第4期初の優勝をもたらし、その年は計3勝。今季もフェルスタッペンが第5戦70周年GP(英国)で優勝。アルファタウリのピエール・ガスリー(フランス)が第8戦イタリアGPで自身初勝利を果たした。
F1復帰6年目でチャンピオンチームのメルセデスとようやく肩を並べるまでの力をつけ、上り調子でもあったが、ここ数年の業績不振もあり、撤退を唱える社内の声を止めることはできなかったもよう。
今回の第4期がそうだったように、F1からいったん手を引くと、仮に再び復帰を決断した際にライバルとの技術戦争で大きな後れを取ることは分かっている。八郷社長も「社内では参戦を継続すべきだという意見はいっぱいあったが、社長として(撤退を)判断をした」とした。
新型コロナウイルス感染拡大でF1活動が制限され、10月に三重・鈴鹿サーキットで予定していた日本GPも中止を余儀なくされたが、コロナ禍が直接の撤退の要因ではないようだ。
これで2022年以降のF1に参戦するパワーユニット供給メーカーはメルセデス、フェラーリ、ルノーの3社に減り、メルセデスの1強状態がより鮮明になりそう。ホンダを失うレッドブル、アルファタウリの2チームも新たな提携先を見つける必要がある。
F1業界にとっては「コロナショック」よりも「ホンダショック」のインパクトの方が大きいかもしれない。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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