「イチロー節」全開の引退会見 雄星が「号泣中の号泣」etc.名言集
-子どもたちへメッセージを
「熱中できるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注ぐことができる。それを早く見つけてほしい。見つかれば、立ちはだかる壁に向かっていける」
-日本で育成される重要性はあるか
「将来MLBでプレーする基礎を作るという考えはできるだけ早くというのは分かりますけど、日本の野球で鍛えられるというのはあるんですよね。メジャーリーガーよりも基本的な基礎の動きって、日本だと中学生レベルの方がうまい可能性はありますよ。チームとしての連係は日本で言わなくてもできますからね。アメリカでは個人としてのポテンシャルは高いですけど、そこは苦しんであきらめましたよ」
-生きざまでファンに伝わっていたらうれしいことは
「人よりも頑張るなんてことはとてもできない。自分の中にある『量り』を使いながら、自分の限界をちょっと超えていく。そうするといつの日かこんな自分になっているんだ。少しずつの積み重ねでしか、自分を超えていけないと思っているんですよね。一気に高みにいるとすると、今の自分とギャップがありすぎて、それを続けられない。地道に進むしかない。ある時は後退しかしない時もあるので、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でも、それは正解とは限らない。間違ったことを続けているかもしれない。遠回りをすることで、本当の自分に出会えると思っている。今日のゲーム後のファンの方の気持ちを見た時に、ひょっとしたらそんなところを見てくれたのかなと思います」
-アメリカのファンに向けて
「最初は厳しかった。日本に帰れってしょっちゅう言われましたよ。結果を残した後の敬意というのは、手のひらを返すというか。行動で表す敬意は迫力があるという印象ですよね。認めてもらった後はすごく近くなると言う印象で、ガッチリ関係ができあがる。シアトルとのファンとはそれができたという勝手な印象ですけど。ニューヨークは厳しいところでしたね。でも、結果を残せばすごい。マイアミというのはラテンの文化が強い印象で、結果を残さないと人はついてこない。それぞれの場所で関係を築けた。アメリカは広いなと」
-弓子夫人には
「一番頑張ってくれたと思います。僕はアメリカで3089本のヒットを打ったんですけど、ゲーム前ホームの時はおにぎりを食べるんですね。妻が握ってくれたおにぎりの数が2800くらいなんですよ。3000個握らせたかったなと思います。妻にはゆっくりしてほしい。わが家の愛犬、一弓ですね。今年で18歳になろうかという柴犬なんですけど、おじいちゃんになってきて毎日フラフラですけど、懸命に生きている。それを見ていたら俺頑張らないと、と思いますよね。まさか最後まで、現役を終える時まで一緒に過ごせると思っていなかったので。妻と一弓には感謝の思いしかない」
-これまで一番の決断は
「アメリカでプレーするために、今とは違う形のポスティングシステムだったんですけど、自分の思いだけではかなわない。当然、球団からの了承がないとかなわなかった。その時に1番に浮かんだのが、(オリックス)仰木監督ですね。おいしいご飯とお酒を飲ませたら、うまくいくんじゃないかなと。まんまとうまくいきましてね。口説く相手に仰木監督を選んだのは大きかったですね。ダメだダメだと言っていた人が、お酒でこんなに変わってくれるんだと、お酒の力をまざまざと見ましたし、しゃれた人でしたね。仰木監督から学んだものは、計り知れないですね」
-菊池雄星が泣いていた
「号泣中の号泣でしょ。びっくりしましたよ。それを見て笑えてきましたよ」
―抱擁の時にどんな会話を交わしたのか?
「それはプライベートなんで。雄星がそれをお伝えするのは構わないですけど、それは僕がお伝えすることではないですね。2人の会話だから。しかも僕から声をかけているので、それをここで僕が『こんなこと僕が言いました』って、バカですよね。絶対に信頼されないもんね、そんな人間は。それはダメです」